
現実世界とデジタルを融合するAR(拡張現実)・VR(仮想現実)技術が急速に発展する中、産業やエンタメ分野での活用が注目されています。例えば、製造業や建設現場ではARグラスによる作業支援が労働生産性向上のツールとして期待されており、XR(AR/VRの総称)関連市場は今後も成長を続ける予測です。このような背景から、XR分野で先進的な技術やサービスを手がけるスタートアップ企業にも注目が集まっています。
本記事では、特に注目される以下の4社のスタートアップをご紹介します。個別記事も併せて是非ご覧ください。
- Cellid(セリッド)
- Niantic(ナイアンティック)
- Rokid(ロキッド)
- JigSpace(ジグスペース)
Cellid株式会社:ARグラスと空間認識で、現場を革新する次世代技術

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「Cellid株式会社」(以下、Cellid)は、ARグラス向けのディスプレイと空間認識エンジンを開発するスタートアップです。CellidのARグラスは通常のメガネと同じデザインと軽さを保ちながら、フルカラー映像を映し出せるARグラスを開発している点が特徴です。その他にも空間認識エンジンの開発を行っており、建設や製造業など多様な分野での活用が進められています。
その実績は国内外で高く評価されており、「Forbes Asia 100 To Watch 2024」にも選出されました。また、世界最大のディスプレイ学会である「The Society for Information Display(SID)」において、「2024 Display Component of the Year Award」を受賞するなど、技術力の高さが認められています。
Niantic:ポケモンGOなどのARゲームを開発!

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Niantic Incは米国サンフランシスコに本社を置くソフトウェア企業で、ARゲームで世界的に知られています。同社は、2016年にリリースした『Pokémon GO』やそれ以前のARゲーム『Ingress』で爆発的な人気を博しました。また、「Lightship」と呼ぶAR開発プラットフォームを通じて、他企業や開発者向けにも位置情報や3Dマッピング技術を提供し、ARを用いた新しいビジネスや教育サービスの可能性拡大にも貢献しています。
Rokid:産業用から消費者向けまで、ARグラスで未来の体験を届ける

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Rokid Inc.は2014年創業の中国発スタートアップで、ARグラスなどの拡張現実製品を開発するユニコーン企業です。同社の製品は100か国以上で展開され、技術は宇宙ステーションの実験や世界の大手企業にも導入されるなど高い評価を得ています。もともと産業向けARデバイスの開発に注力していましたが、2021年以降は一般消費者向けにもピボットし、映画鑑賞を没入体験に変えるARグラス「Rokid Air」や「Rokid Max」を市場に投入しました。今後は産業用途とコンシューマー用途の両面で事業を拡大し、AR技術のさらなる普及を目指しています。
JigSpace(ジグスペース):誰でも手軽に3Dのパワポが作れる!

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JigSpace Incは、オーストラリア・メルボルン発のベンチャーで、誰でも手軽に3Dプレゼンテーション用のARコンテンツを作れるプラットフォームを提供しています。同社のアプリは2017年の正式ローンチ以来500万以上ダウンロードされており、ユーザー評価は世界最高水準とされています。ユーザーは製品や設備の3DモデルをAR空間上で表示して説明できるため、教育機関の授業や企業の製品説明、遠隔メンテナンス指導など、従来の資料だけでは伝えづらかった複雑な情報をわかりやすく共有できます。実際にPepsiCoやPanasonic、医療機器メーカーのMedtronicなどが採用し、ARを活用したプレゼンやトレーニングを行っています。
まとめ
今回は、AR/VR技術を活用し先進的な取り組みを行う4社のスタートアップを紹介しました。これらの企業は、それぞれディスプレイやセンサー技術、ARアプリ、3Dコンテンツツールなどでユニークなソリューションを提供し、企業の業務改革やユーザー体験の向上に貢献しています。今後もXR市場の成長が期待される中、今回紹介したスタートアップは新たな技術トレンドを牽引する存在となるでしょう。
New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。
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