
今年、日本の働き方は多様化し、フリーランスとして活躍する方が急速に増えています。この「自由に働く」という素晴らしい選択の向こうには、安定した収入の確保や、いざという時の資金繰りなど、課題が山積みです。
こうした社会課題の解決に取り組んでいるのが今回ご紹介する株式会社ラボル(以下、ラボル)です。
同社は「あらゆる人々に平等なお金の価値を」というビジョンを掲げ、テクノロジーの力でフリーランスの資金繰りの問題解決に取り組んでいます。
本記事ではラボルがどのように資金繰り問題を解決しようとしているのか、またラボルの最新の動向について解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
オンライン金融サービス「labol(ラボル)」

株式会社ラボルは、フリーランスや個人事業主、中小企業が早期資金繰りのための課題を解決するために、
オンライン金融サービス「labol(ラボル)」を展開しています。このサービスは、従来の金融システムではまかないきれなかった層に、迅速かつ柔軟な資金調達の機会を提供しています。サービスは以下の2つです。
- 請求書買取りファクタリングサービス
- カード支払い型振込み代行サービス「labolカード払い」
請求書買取りファクタリングサービス
「labol」の核となるのは、AIを活用したファクタリングサービスです。ファクタリングとは、企業が保有する売掛金(請求書)を予定日前に買い取ってもらうことで、早期に資金を調達できる仕組みです。「labol」は、発行済みの請求書を買い取ってから、最短30分で入金を行います。 振込は24時間365日対応しているため、急な資金ニーズにも柔軟に対応することが可能です。
従来のファクタリングサービスでは、複雑な書類提出や面談が必要となるケースも少なくありませんでしたが、「labol」では、決算書・契約書などの面倒な書類や面談は不要で、すべてWebで完結させることができます。また、独立直後でも新規の取引先でも、業種・職種問わずOKで買い取り対象が幅広い点や請求書が少額でも手数料は一律買取額の10%のみで、振込手数料などの他の費用がかからない点も嬉しいポイントです。
カード支払い型振込み代行サービス「ラボルカード払い」
もう一つの重要なサービスが、「ラボルカード払い」です。 これは、銀行振込が必要な事業費を、クレジットカードを使って支払うことができるサービスです。 この仕組みを利用することで、支払い期日を最長60日間延長することができます。家賃も経費も利用可能でカードのポイントも貯まるためとてもお得なサービスです。
フリーランスにとって、予期せぬ出費や、案件の入金タイミングのズレは、資金繰りを圧迫する原因になります。
しかし、こちらのサービスがあれば、そのようなリスクを軽減し、より計画的な事業運営を行うことができます。 初期費用や月額費用は不要で、利用料金のみで手軽に利用できる点も、フリーランスや小規模事業者にとっては嬉しいポイントと言えるでしょう。
オンライン金融サービス「labol(ラボル)」について、詳しくはこちらをご覧ください。
事業者向け資金情報サービス「資金調達プロ」

また、ラボルは事業者向け資金情報サービス「資金調達プロ」を提供しています。こちらは資金調達専門の士業や有識者が監修し、資金調達に関する情報やサービスを法人・個人事業者向けに提供しているサイトです。10秒かんたん資金調達チェックを利用すれば、実際に資金調達可能な金額の目安や資金調達の選択肢を提案してくれます。
また資金繰り・節税・銀行融資といった経営者が知っておくべきお金のhow to情報や、国内・国外の最新資金調達情報ニュースを幅広く提供しています。資金調達に何度も失敗している方や、すでに具体的に資金繰り計画を進めている方にお勧めのサービスです。
利用手順は以下の3ステップで簡単に利用できます。
1.診断フォームへの入力
資金調達希望金額や売掛金など複数項目を入力する。
2.専門家ご紹介
無料診断完了後、自社に適した資金調達の専門家をご紹介。
3.資金調達開始
紹介後、自社に適した資金調達方法で資金繰りを改善する
詳しくはこちらからご覧ください。
資金調達:約32億円の大規模調達と「チャレンジャーバンク構想」

ラボルは、2025年9月18日に総額約32億円という大規模な資金調達を実施しました。
今回の資金調達は、WMパートナーズをリード投資家とし、みずほ成長支援第5号投資事業有限責任組合を含む計7社から約10億円のエクイティ(株式)調達と、三菱UFJ銀行、ほ銀行、三井住友、りそな銀行といったみずき金融機関からの約22億円のデット(融資)調達から構成されています。エクイティとデットの両面から資金を確保することで、今後の事業拡大に向けた強固な基盤を確保しました。
調達された約32億円は、株式会社ラボルが目指す「フリーランスに向けたチャレンジャーバンク構想」の実現に向けた成長投資に充当される計画です。具体的には、M&A費用や新規事業開発、AI技術の研究開発、採用・組織強化といった分野に重点的に使用されます。
【本資金調達概要】
- 調達額:約32億円
- 資金使途:M&A費用、新規事業開発、AI技術の研究開発、採用・組織強化
- 引受先:
■ 約10億円のエクイティによる資金調達(第三者割当増資)
リード投資家
・WMパートナーズ株式会社
コ・リード投資家
・みずほ成長支援第5号投資事業有限責任組合
その他の引受先
・XTech3号投資事業有限責任組合
・りそなキャピタル8号投資事業組合
・トレイダーズFinTech1号ファンド
・アルバクロス1号投資事業有限責任組合
・Valueup Partners株式会社
■ 約22億円のデット調達(融資)
引受先
・三菱UFJ銀行
・みずほ銀行
・三井住友銀行
・りそな銀行
市場規模:成長を続けるフリーランス市場と金融サービスの未来

ランサーズ株式会社の「フリーランス実態調査 2024」によると、2024年のフリーランス人口は1,303万人、経済規模は20兆3,200億円に達しました。2021年はコロナ禍でリモートワークが普及し、フリーランスの需要が急増しましたが、2024年はアフターコロナによる働き方の変化や生成AIの影響で減少傾向にあります。しかし、10年前と比較するとフリーランス人口は+39.1%、経済規模は+38.8%増加しており、コロナ禍という特殊要因を除くとフリーランス市場は拡大傾向にあると言えます。
「フリーランス保護新法」が後押しする市場の健全化
さらに2024年には「特定受託事業者に取引関係の適正化等に関する法律」、通称「フリーランス保護新法」が施行されました。 この法律は、フリーランスの適切な環境の整備や取引の適正化を促進することを目的としており、フリーランスがより安心して取り組む社会環境づくりを後押ししています。
株式会社ラボルは、このような市場環境において、金融サービスだけでなく、資金調達に関する情報提供を行うメディア事業「資金調達プロ」も展開しており、フリーランスが健全な意思決定を確固たる多角的にサポートしています。拡大していくフリーランス業界の中でラボルも今後さらに事業を拡大させていくことが予想されます。
会社概要
- 会社名:株式会社ラボル
- 所在地:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-20-8 寿パークビル7F
- 設立年月日:2021年12月1日
- 代表者名:建部 大
- 公式HP URL:https://labol.co.jp/corp/
まとめ
フリーランスという働き方が当たり前になりつつある現代社会において、その活動を陰で支える金融基盤の重要性はとても大きいです。 ラボルは、「フリーランスに向けたチャレンジャーバンク構想」の実現を目指し、日本におけるフリーランスの働き方を根本から変えようとしています。
ラボルが、新しいフリーランスがより自由に、そして安心して事業に専念できる社会をどのように作り上げていくのか、その進み方から目が離せません。
New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。
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