
現代では、使い捨てプラスチックによる環境汚染や資源枯渇といった深刻な課題に決着しています。 特に、日常的に消費される飲料分野では、ペットボトルをはじめとする使い捨て容器が大量に廃棄され、地球環境への負荷は増大するばかりです。
このような時代の変化の中で、環境問題の解決と個人の多様性なニーズへの対応を両立させる新たな飲料体験を提案しているのが、NOMU Enterprise合同会社(以下、NOMU Enterprise)です。
本記事ではその事業内容や最新の動向について詳しく解説していきます。
事業内容:リユースカップ式スマートドリンクプラットフォーム「NOMU」

NOMU Enterpriseは、独自開発した世界初のリユースカップ式ドリンクマシン「NOMU POD」を開発し、パーソナライズされた革新的なドリンク体験を提供する事業を行っています。2025年9月には横浜市と提携し、横浜市庁舎内に第1号機を設置して実証実験を開始しており、ユーザー体験の向上に向けて検証を進めています。
環境に配慮した「脱プラスチック」を実現するリユースカップシステム

NOMUの最大の特長は、使い捨てプラスチックの使用を大幅に削減するリユースカップシステムにあります。
この革新的な取り組みは、すでに横浜市との公共連携事業「共創フロント」の覚悟として、日本初の実証実験がスタートしており、地域社会全体で環境保全を推進するモデルケースとして期待されています。環境の高い企業や施設にとって、NOMUの導入は、ESG経営の推進やブランドイメージ向上に直結する大きなメリットとなるでしょう。
AIバーテンダー「ノムちゃん」が提案する無限のパーソナルカスタマイズ

NOMUのドリンクマシンでは、紅茶や緑茶、コーヒー、フルーツなどをベースにしたオリジナルのドリンクメニューなど、多種多彩な150種類以上のメニューが提供されています。 またそれだけでなく甘さやフレーバーを自由にカスタマイズすることができ、利用者は、100万通り以上もの組み合わせから、自分だけのオリジナルドリンクを生み出すことが可能です。
さらに、ユーザーの飲料体験をより豊かにするのが、AIバーテンダー「NOMUちゃん」です。 NOMUちゃんは、利用者の過去の飲用履歴、好み、気分、さらには天気や時間帯といった外部配慮まで分析し、その瞬間に最適なドリンクを提案してくれます。まるで専属のバリスタやバーテンダーがいるかのように、常に新しい味の発見と、個人的な満足感を提供することで、利用者の獲得率向上にも繋がるでしょう。 健康志向の方から、新しい味覚体験を求める方まで、しっかりニーズに応えることができます。
資金調達:シードラウンドで4億5千万円の資金調達を実施

NOMU Enterpriseは、2025年10月、シードラウンドで4億5千万円の資金調達を実施しました。今回の調達で得られた資金により、今後の事業成長をともに志す人材の獲得や、楽しさ溢れるドリンク体験を提供するための技術開発や製品開発を加速していくとのことです。
【本資金調達概要】
- 調達額:4億5千万円
- シリーズ:シードラウンド
- 資金使途:人材獲得、技術開発・製品開発
- 引受先:
・株式会社ジェネシア・ベンチャーズ(リード投資家)
・池森ベンチャーサポート合同会社
・Joyance Asia
・Kendall Square Ventures
・個人投資家8名
環境問題への取り組み
NOMU Enterpriseは製品コンセプトの段階から環境への配慮を重視しています。特に大きな柱がプラスチックごみ削減への貢献です。日本では一人当たり年間183本ものペットボトルを購入しているとも言われ、プラスチック廃棄量が世界的に見ても非常に多い水準にあります。NOMU PODはステンレス製リユースカップで飲料を提供することで、使い捨て容器の利用を大幅に削減します。

また、同社は再生素材の活用にも積極的です。ドリンク用ボトルの外部パーツには竹やトウモロコシ由来のバイオプラスチック素材を使用しており、プラスチックに代わる持続可能な素材選択を実践。さらに専用アプリでは、利用者がNOMU PODを使うことで「どれだけプラスチックごみ削減に貢献したか」を可視化でき、ゲーム感覚で持続可能な行動を促しています。これらの取り組みにより、NOMUは楽しい体験を損なうことなく環境負荷低減に貢献することを目指しています。
業界動向と今後の展望
飲料業界では近年、環境配慮型の商品開発や個々の嗜好に合わせたサービスがトレンドとなっています。特にテクノロジーによるパーソナライズ化は市場拡大が予測されており、フードロス削減など環境課題の解決にも資するアプローチとして注目されています。NOMU Enterpriseの提供する体験はこの潮流の最先端であり、ユーザー満足度を高めつつ環境にも優しいソリューションとなっています。
今後、同社は技術開発とサービス展開をさらに加速させる計画です。代表の森國麦氏は「次世代の飲料文化はパーソナライゼーション、クリエイティビティ、そしてサステナビリティによって形づくられる」と語っており、飲料の消費体験を新たな「喜び」や「エンターテインメント」へ進化させると同時に、使い捨て容器をなくすリユースエコシステムの構築に取り組んでいます。
NOMU Enterprise合同会社は、楽しさと便利さを両立しながら環境問題に挑むことで、次世代の飲料業界をリードする存在として注目されています。
会社概要
- 会社名:NOMU Enterprise合同会社
- 所在地:〒150-0001東京都渋谷区神宮前6-23-4桑野ビル 2F
- 設立年月日:2023年10月
- 代表者名:森國 麦
- 公式HP URL:https://www.nomu.company/about
まとめ
NOMU Enterprise合同会社は、この二つの大きな社会課題に対して、リユースカップ型スマートドリンクプラットフォームという前向きなアプローチで考えています。横浜市との実証実験の開始や、ジェネシア・ベンチャーズからのリードは、その事業が持つ社会的な意義と将来性が高く評価されているのが証拠と言えるでしょう。
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