
日本は世界でも類を見ないスピードで超高齢社会へと突き進んでおり、介護現場の人手不足や、利用者の安全・尊厳の確保が喫緊の課題となっています。このような状況で、いかに介護の質を維持・向上させながら、持続可能な介護システムを構築していくか、その答えが求められています。
株式会社Z-Works(以下、Z-Works)は、この深刻な社会課題に対し、IoT技術を活用した介護支援システム「ライブコネクト」を提供しています。こちらは、居室内の状況をリアルタイムで可視化することができるシステムで、事故防止や異常の早期発見に貢献しています。さらに、介護スタッフの巡回負担を軽減し、質の高いケアを実現するための強力なツールでもあります。
本記事ではライブコネクトの詳しい内容やZ-Worksの動向について詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
事業内容:IoT介護支援システム「ライブコネクト」

ライブコネクトは、介護施設や在宅での高齢者見守りに特化したIoT介護支援システムです。居室内に設置された複数のセンサーを通じて、利用者様の状態を詳細に把握し、異常があればリアルタイムで通知することで、介護現場の安全性と効率性を飛躍的に向上させています。
サービス概要

ライブコネクトは、マルチセンサーやドアセンサーなど多様なデバイスを組み合わせ、利用者の睡眠状態、心拍、呼吸、離床の有無、トイレ回数といったバイタルデータや行動パターンを24時間体制で検知します。これにより、予期せぬ転倒や徘徊、体調の急変といった重大な事故を未然に防ぎ、利用者の安全確保に大きく貢献しています。
また、介護スタッフの夜間巡回は大きな負担ですが、ライブコネクトは不必要な訪室を減らし、必要な時だけ迅速に対応できる体制を構築します。その結果、スタッフはより本質的なケアに集中でき、心身の負担軽減にも繋がります。これは、介護現場の働き方改革を後押しする画期的なソリューションと言えるでしょう。
独自性とターゲット層
ライブコネクトの最大の特長は、その導入の手軽さにあります。Wi-Fiなどのネットワーク工事が一切不要で、4G回線やSIMカードを内蔵しているため、コンセントに挿すだけで運用を開始できます。この「工事不要・設置が容易」という特性は、これまでITインフラの整備が難しい中小規模の介護施設にとって、非常に大きなメリットをもたらしています。
実際、導入施設の約4割が従業員50名未満の事業者であることからも、その手軽さが評価されていることが伺えます。 カメラ機能「ライブコネクトビジョン」や通話機能「ライブコネクトコール」といった新サービスも加わり、遠隔での状況確認やコミュニケーションも可能になりました。介護記録ソフトとの連携機能も充実しており、収集したデータを自動で記録することで、業務の効率化とデータに基づいた質の高いケアプラン作成をサポートします。
利用メリット
ライブコネクトを導入することで、利用者様の安全が向上しつつ、介護スタッフの身体的・精神的負担を軽減することができます。これにより、スタッフは利用者様一人ひとりに寄り添った個別ケアに時間を割けるようになり、介護サービスの質全体の向上に繋がるでしょう。
さらに、データ連携により記録業務が効率化され、データに基づいた科学的なケア計画が可能となる点が魅力です。これは、いわば「頑張らない介護」の実現であり、より持続可能な介護現場への変革を促しています。
資金調達:株式会社Z-Worksの成長戦略

Z-Worksは、株式会社慶應イノベーション・イニシアティブと大和企業投資株式会社を引受先とする第三者割当増資、並びにあおぞら企業投資株式会社を引受先とするベンチャーデットファイナンスを組み合わせることで、総額7億円の資金調達を完了しました。
今回の調達資金によって、当社はさらなる導入拡大に向けた営業・サポート体制の強化、および医療・学術機関との共同研究によるプロダクトの機能向上を推進し、当社製品「ライブコネクト」の社会実装をさらにすすめてゆくことで、介護職員の負担軽減と介護の質の向上を一層推進していくとのことです。
【本資金調達概要】
- 調達額: 総額7億円
- 調達方法: 第三者割当増資・ベンチャーデットファイナンス
- 調達先:
第三者割当増資
・株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ
・大和企業投資株式会社
ベンチャーデットファイナンス
・あおぞら企業投資株式会社
会社概要
- 会社名:株式会社Z-Works
- 所在地:東京都豊島区高田2-17-22 目白中野ビル6階
- 設立年月日:2015年4月30日
- 代表者名:代表取締役社長 高橋達也
- 公式HP URL:https://www.z-works.co.jp/
まとめ
株式会社Z-Worksが提供する「ライブコネクト」は、超高齢社会が抱える介護現場の課題に対し、IoT技術の力で確かな解決策を提示しています。導入の手軽さ、多角的な見守り機能、そして介護記録との連携による業務効率化は、介護スタッフの負担を軽減し、利用者様の安全と尊厳を守る「頑張らない介護」の実現に大きく貢献しています。
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