
企業が人材を確保し、従業員の満足度を高めるために福利厚生制度の見直しが急務となっています。従来の福利厚生は利用対象が限定的で利用率が低いケースが多く、企業の投資対効果に疑問が生じていました。こうした中で、従業員が日常的に使いやすく、運用負担の少ない制度へのニーズが高まっています。
株式会社miiveが提供する福利厚生プラットフォーム「miive」は、Visaカードとスマホアプリを用い、企業が自由に制度設計できる新しい福利厚生ソリューションです。従業員は全国のVisa加盟店で福利厚生を利用でき、企業は管理の効率化と利用促進を同時に実現できます。本記事では、株式会社miiveの事業内容や資金調達動向、市場の規模等について詳しく紹介します。
事業内容:福利厚生プラットフォーム「miive」

株式会社miiveが提供する「miive」は、Visaカード1枚とスマホアプリを使って、企業の福利厚生を一元運用できるプラットフォームで、2021年にリリースされました。
企業は従業員にポイントを付与し、従業員は専用カードを使って、全国のVisa加盟店でポイントを利用できます。これにより、従来のカタログ型や特定加盟店限定の制度とは異なる、柔軟で利用しやすい福利厚生を実現しています。
Visaプリペイドカードを活用することで、企業は日常生活で使える福利厚生を提供しやすく、従業員は申請手続きなしで支出にポイントを使えます。これは企業にとっても、従業員にとっても運用負担を大きく軽減する仕組みです。
miiveの特徴を4つ紹介

①柔軟なポイント制度設計
企業側は利用用途と予算を設定したポイントを自由に設定することで、従業員にとって価値のある福利厚生制度の設計が可能です。
個人サポート手当から交流サポート手当に至るまで、導入企業のならではのオリジナルの手当を設計できます。
②Visa加盟店での利用
miiveの最大の特徴は、Visaプリペイドカードを活用した福利厚生ポイント制度です。従業員はカードを使って全国のVisa加盟店で福利厚生ポイントを利用できます。この設計により、Visa加盟店であれば国内外問わず使えるため、福利厚生の利用範囲の拡大を実現できます。
また、カード決済で自動精算されるため、領収書・申請不要で福利厚生費の精算が完結します。
②利用状況の見える化
管理画面では 利用回数、部署別の利用状況、役職別の利用傾向 など多角的にデータを確認できます。これにより、制度設計を戦略的にブラッシュアップできます。また2023年には ダッシュボード機能が実装されました。申請処理や精算業務が大幅に削減されます。企業側は支給条件を設定するだけで、後はシステムが管理します。
④タグ機能による個人最適化された福利厚生を実現
従業員管理画面では、「タグ機能」を用いて従業員一人ひとりの役職や職種などの属性をタグとして設定することで、それぞれの属性に応じた制度を管理できます。これによりそれぞれの従業員のニーズを満たす手当をmiive上の設定のみで手軽に提供できるようになります。
人的資本経営が進む昨今、従業員に関する様々な情報を開示するための施策を計画し、実行することが今後さらに重要になっていくと予想されます。miiveを活用すれば、従業員満足度を高めるためのチームランチ手当や、スキル・能力分野でリスキリング手当、育児休業分野でベビーシッター手当など、人的資本投資を実行しやすくなります。
即時割引が可能な「miiveクーポン」サービスの提供

2024年以降、miiveは基本サービスに加えて 「miiveクーポン」 サービスを提供しています。
miiveクーポンは、大手飲食チェーン・フィットネス・映画・家事代行など、日常で使えるクーポンを厳選し、従業員の経済的負担を軽減するサービスです。
1人当たり月額200円から導入可能であり、企業の導入コストが低い点が特徴です。
また従業員は、普段利用する店舗でmiiveカードを利用することで特別な手続きを踏まずに即時割引を受けることが可能です。また、スマホアプリを利用することでクーポンを利用できる店舗を表示することができ、クーポン探しの手間削減に寄与します。
解決する課題:従業員福利厚生の利用率向上と運用負担の軽減
従来型の福利厚生制度は、多くの企業で利用率が低いという問題を抱えていました。例えば、映画優待券や保養所の割引といった特典は従業員にとって利用しにくく、制度の利用が限定的でした。また、従業員が福利厚生を利用するための申請手続きや精算の煩雑さも、運用上の課題でした。
miiveはこうした課題を次のように解決します。
・ 使われる福利厚生への転換
従業員が日常的に使いやすい「ランチ・カフェ」「健康維持」「交流イベント支援」「学び支援」など、幅広いニーズをカバーします。実際、企業導入例では従業員の91%が日常的に利用し、半年で延べ2,000件以上の交流イベントが生まれたという報告があります。
・運用負担の軽減
利用状況はダッシュボードでリアルタイムに把握でき、申請処理や精算業務が大幅に削減されます。企業側は支給条件を設定するだけで、後はシステムが管理します。
・働き方の変化に対応
リモートワークや分散型勤務が増える中、「オフィスだけ」「特定店舗だけ」など利用制約のある従来制度では対応できないニーズが増加しました。miiveは全国のVisa加盟店で利用可能なため、場所に縛られない福利厚生を提供します。
資金調達:シリーズB1stラウンドで15億円の資金調達を実施

株式会社miiveは、2025年11月5日、シリーズB 1stラウンドにおいて総額約15億円の資金調達を実施したと発表しました。本ラウンドの調達方法は「第三者割当増資」と「デットファイナンス(融資)」の組み合わせであり、累計調達額は約24.8億円に達しています。
主要な引受先には、グローバルVCのDNX Venturesをリード投資家として、調達ラウンドに参加した金融機関としては、あおぞら企業投資、三井住友銀行、みずほ銀行、北國銀行、十六銀行などが名を連ねています。
調達資金の使途と成長戦略
・プロダクト開発の加速
既存の「Standard」プランに加えて、今後はより導入しやすい「Liteプラン」など新しいラインナップを展開し、企業が自社の制度設計に合わせて柔軟に選択できる製品群を整備していきます。新プランは2026年1月〜4月にかけて段階的にリリース予定です。
・新ビジョンの実現
miiveは新たなビジョンとして「働く意味で、世界を満たす」を策定しました。今後は新ビジョンのもとでサービス開発、営業体制、人材獲得などの組織基盤の強化によって、事業拡大フェーズにおける組織力の底上げを図ります。特に今後1年間で組織規模を3倍にする計画を掲げており、よりスピーディな市場展開を目指します
市場規模:福利厚生プラットフォーム市場の拡大
従業員福利厚生プラットフォーム市場は急速に拡大しており、2024年には1,007.15億米ドルの市場規模を見込んでいます。これが2025年には1,175.42億米ドルに達し、2033年には2,194.94億米ドルに成長すると予測されています。これは、年平均成長率(CAGR)8.12%に相当します。この市場の成長の背景には、従業員満足度向上や企業のデジタルトランスフォーメーションが重要な要因となっています。
福利厚生プラットフォームが市場で急速に成長している理由の一つは、クラウドベースのソリューションの普及です。特に、miiveのようなサービスが提供するスマホアプリとVisaカードを活用した福利厚生管理システムは、従業員にとって利用しやすく、企業にとっては運用が簡便で効率的です。
miiveは、企業が従業員に対して柔軟で多様な福利厚生を提供できるようサポートするプラットフォームを提供しており、このようなシステムは従業員のエンゲージメント向上に寄与しています。
会社概要
- 会社名:株式会社miive
- 所在地:〒151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿 16F - 設立:2020年7月2日
- 代表者名:栗田 廉
- 公式HP:https://miive.jp/
まとめ
株式会社miiveは、Visaカードとスマホアプリを核とした新しい福利厚生プラットフォームを提供し、企業と従業員双方のニーズを満たす革新的なソリューションとして注目されています。従業員の利用率が高いことや、柔軟な制度設計ができる点は、従来の福利厚生制度にない価値を生み出しています。また、大規模な資金調達と市場拡大の可能性から、今後の成長が期待されます。福利厚生の見直しを検討する企業にとって、miiveは戦略的な投資先としても興味深い存在です。
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