最終更新日 26/01/08
国内スタートアップ

【株式会社ReCute】シェアリング×美容インフラの新潮流

システム開発・サービス美容
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(引用:公式ホームページ

外出中、雨や湿気、マスクの着脱などで髪型が崩れてしまっても、「思うように直せない。」――そんな悩みを抱える人は少なくありません。ヘアアイロンは重くてかさばり、外出先に持ち歩きにくいことが、その一因です。こうした“身だしなみの空白時間”は、気分や自信にまで影響します。

株式会社ReCuteは、この課題に対して「外出先でも気軽にヘアアイロンを借りられる環境」を広げ、身だしなみを整える行為を都市のインフラ(生活に欠かせない基盤)に近づけようとしています。「アプリで探して、その場で借りる」体験を通じて、どんな時でも自分らしさを取り戻せる世界を目指すスタートアップです。

事業内容:ヘアアイロンレンタルスポット「ReCute」

(引用:公式ホームページ

「ReCute」は、商業施設・オフィス・駅・イベント会場などの化粧室で、ヘアアイロンを短時間レンタルできるシェアリングサービスです。

近年普及しているポータブルヘアアイロンは、一見便利に見えるものの、実際には重くてかさばるうえ、温度やサイズの制約から巻ける範囲が限られるという課題があります。部分的ではなく、全体を整え直したい場面では力不足に感じる人も少なくありません。結果として「持ち歩いているのに結局使わない」という状況が生まれがちです。                                              一方、メイクラウンジやプリクラ専門店など、ヘアアイロンを自由に使える場所も存在します。しかし、「髪を直すだけのために、わざわざそこへ行くのは気が引ける」と感じる人も多いのが実情です。用事がない場所に立ち寄る心理的ハードルや、時間的なロスが利用をためらわせてきました。

こうした課題に対してReCuteが提供しているのは、「誰でも、思う存分に髪型を直せる場所」です。特別な目的地として向かうのではなく、商業施設やオフィス、駅、イベント会場など、女性の生活動線上に自然に存在する化粧室・パウダールームに設置されている点が大きな特徴です。

<利用方法>

  1. 専用アプリで「ReCute」のスポットを探す
  2. ボックスのQRコードをスキャンする
  3. ボックスからヘアアイロンを取り出して利用開始!
(引用:PRTIMES

都度払いは1回350円(税込385円)から、月額払いは月1,500円(1,650円)から利用可能で、単発で利用したい方にも継続利用したい方にも対応した料金プラン設定となっています。

また、日常生活ではなかなか手を出しづらい有名ブランドのヘアアイロンを試せるのも「ReCute」のポイントです。

(引用:公式ホームページ
(引用:公式ホームページ

事業背景

自身の体験を元に開発されたサービス

(引用:ベンチャー.jp

代表取締役社長山下萌々夏さんにとって、ヘアアイロンは学生の頃から持ち運んで使用するほど日常生活に必要不可欠なものだったそうです。そんな自身の体験と世の中の女性の声を掛け合わせて開発されたのが、ヘアアイロンシェアリングサービス「ReCute」でした。

新規事業創出プログラムから誕生

起業前にNTTコミュニケーションズで勤務していた山下さんは、NTTドコモグループ新規事業創出プログラム「docomo STARTUP」を通じて本サービスを発案しました。その後、事業化に向けた検証を進め、2024年7月1日にスピンアウトすることとなりました。
出資元は株式会社ポーラ・オルビスホールディングス、Connectete、NTTドコモで、調達額は非公開です。

一方で、スピンアウトに至るまでの過程では、事業推進上の課題にも直面しています。独立の条件として外部VCからの資金調達が求められる中、当初は実証段階であったことから、社外VCから評価を得るまでにかなりの時間を要しました。

しかし、サービスの利用シーンや体験価値に着目し、ユーザー視点で事業の意義を理解した企業との出会いをきっかけに、ReCuteの提供価値に対する評価が進みます。体験ベースでの理解が投資判断につながり、必要な条件が整ったことで、同社はスピンアウトを実現しました。

ReCuteは渋谷区内から展開し、現在では、最終的に全国約3,500か所まで貸出スポットを増やす構想も示しています。

市場規模:美容サロン市場とシェアリング市場の“重なり”

美容は巨大な生活市場

(引用:ホットペッパービューティーアカデミー)

ホットペッパービューティーアカデミーの推計では、2025年のサロン市場(全体)は2兆6,820億、うちヘア(美容室)は1兆3,884億です。
現在美容市場は日常的にお金と時間が投下される市場であり、「外出先でも整えたい」という行動が生まれやすい土台があります。

“借りる”消費の拡大が追い風

(引用:情報通信総合研究所(ICR)

ICRとシェアリングエコノミー協会の調査では、日本のシェアリングエコノミー市場規模は2021年度2兆4,198億で、2030年度に7兆6,455億円(ベース1)/14兆2,799億円(課題解決2まで拡大する推計が示されています。
「ReCute」は “シェアリング×ビューティー” で、利用シーンが増えるほど便利になるネットワーク効果が働きやすいモデルです。

  1. 現状ペースで成長した場合 ↩︎
  2. 新型コロナウイルスによる不安、認知度が低い点等の課題が解決した場合 ↩︎

市場内ポジション

美容サロン市場の周辺にある「外出先のリカバリー(整え直し)」を、化粧室という導線で押さえにいくのがReCuteの立ち位置です。設置網が広がれば、ヘアケアやコスメの体験提供など周辺領域へも拡張しやすく、同社もサービス拡充の方向性を示しています。

会社概要

  • 会社名:株式会社ReCute
  • 所在地:東京都港区南青山2-5-17 POLA青山ビルディング5階
  • 設立年月日:2024年4月2日
  • 代表者名:山下 萌々夏(代表取締役CEO)
  • 公式HP URL:https://inc.recute.jp/

まとめ

株式会社ReCuteは、ビューティー領域のシェアリングサービスを展開するスタートアップ企業です。女性が日常の中で感じてきた身だしなみに関する不便を起点に、生活動線上で自然に使える設計を特徴としています。美容市場の拡大を背景に、今後こうした“外出先で整える”ニーズが広がる中で、同社のサービスが果たす役割にも注目が集まります。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。
株式会社ReCuteのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、ぜひ関連記事もご覧ください。

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