
日本国内では都市間移動の混雑や地方交通の衰退、防災・減災体制の強化が喫緊の社会課題になっています。それに対し、地上交通とは異なる視点で“空の移動”という選択肢を社会インフラとして普及させることは、ビジネスパーソンだけでなく国民生活の利便性向上につながります。ヘリコプターはこれまで観光や医療救急用途が中心でしたが、一般利用や効率的な都市間移動として確立されていませんでした。
そこで Space Aviation株式会社 は「空の移動革命」を掲げ、ヘリコプターを活用した旅客輸送・遊覧飛行・防災支援・航空機関連事業などを展開し、社会課題の解決に挑戦しています。本記事では、Space Aviation株式会社の事業内容や資金調達動向、市場規模等について詳しく紹介します。
事業内容:多面展開する空のモビリティサービス
旅客輸送・ヘリタクシーサービス

Space Aviation株式会社が提供する旅客輸送サービスは、ヘリコプターを活用したオンデマンド型の移動手段です。このサービスは、都市間や観光地へのアクセスを効率化し、移動時間を大幅に短縮することを目的としています。特に都市部と空港や観光地間を結ぶ直行便が提供されており、一般的な公共交通機関では難しいアクセスを可能にしています。
このサービスの社会的意義は、長時間の移動時間を短縮し、移動の効率を高めることにあります。特に、ビジネスマンや観光客にとって、時間を節約することが大きな利点です。また、都市部や観光地へのアクセス強化により、地方経済の活性化にもつながり、観光業の発展を促進します。
Space Aviationのヘリタクシーサービスは、従来の鉄道や飛行機では実現できない柔軟性を提供し、効率的な都市間移動を実現しています。これにより、特に時間を大切にするビジネスマンにとって価値のあるサービスとなっています。
観光・遊覧飛行
Space Aviationは観光業にも力を入れており、ヘリコプターを利用した遊覧飛行を提供しています。これにより、日本の美しい自然や観光名所を空から楽しむ新しい観光体験を提供しています。空からの絶景を楽しめる遊覧飛行は、観光客にとって特別な体験を提供し、地方観光地の新たな魅力を引き出します。
【主なツアー内容】
- 富士山や瀬戸内海など、空から観光名所を巡る遊覧飛行
- 京都と伊勢を結ぶ「お伊勢参り」フライト
- 東京夜景ヘリコプター
- 初日の出フライト
この遊覧飛行サービスは、観光地の魅力を新たな角度から伝える手段として、観光業の発展に貢献しています。観光地の価値を空から発信することにより、地域経済の活性化にもつながり、観光業の多様化を促進しています。また、地域振興を目指す地方自治体や観光事業者にとっても、重要なプロモーションツールとなっています。
防災・減災支援
Space Aviationは、災害時における支援を目的として、ヘリコプターを活用した迅速な物資輸送や人命救助を提供しています。災害が発生した場合、特に地上のインフラが破壊されることが多いため、ヘリコプターは迅速に支援を行うための重要な手段となります。Space Aviationは、自治体と連携し、災害時における即応体制を確立しています。
このサービスは、災害発生時における迅速かつ効率的な支援を提供する点にあります。特に、交通が寸断される地域や離島などでは、ヘリコプターを活用することで、物資の供給や避難がスムーズに行えるようになります。これにより、被災地の支援活動の効率性が大幅に向上し、被害を最小限に抑えることが可能となります。
航空機販売・教育・ヘリポート運営

Space Aviationは、航空機の販売や操縦士・整備士の教育、さらにはヘリポートの運営といったサービスも提供しています。これにより、航空業界全体の基盤を支え、人材の育成と安全運航の確保を図っています。航空機の販売は、国内外の企業や自治体に向けて行われており、安全性が高く、信頼性のある機体を提供しています。
これらのサービスは、航空業界の人材不足を解消し、業界全体の成長に寄与することを目的としています。特に操縦士や整備士の教育は、航空機の安全運航を支えるために不可欠であり、同社は高い品質の教育プログラムを提供しています。また、ヘリポートの運営においては、各地に拠点を設け、空の移動を支える重要なインフラを整備しています。
資金調達:累計約29億円 戦略的成長フェーズへ
Space Aviationはこれまで複数の資金調達を経て成長してきました。
2023年:前澤ファンドからの出資

- 調達日: 2023年10月16日
- 調達額: 約10億円
- 調達方法: 第三者割当増資
- 引受先: 株式会社前澤ファンド(前澤友作氏代表)
このラウンドでは、次世代モビリティの「ヘリタクシー」を当たり前の選択肢にするというビジョンに共感した投資家から支援を受けました。
2025年:シリーズBで17.4億円調達

- 調達日:2025年10月20日
- 調達額:17.4億円
- 調達方法:シリーズB
- 引受先:
・ZUUターゲットファンド for SA投資事業有限責任組合(約16億円)
・J‑Ships(約1.4億円)
最新の資金調達により累計約29億円を達成しました。資金は米国拠点の設立、人材育成、サプライチェーン強化、海外展開(M&Aも含む)などの戦略的投資に充てられる予定です。
投資家からは「地方創生や防災インフラという社会課題への貢献が評価された」という声が上がっており、金融界からも社会価値と収益性を両立するビジネスモデルとして高い期待が寄せられています。
市場規模:成長するヘリコプターサービス市場とそのポテンシャル

世界のヘリコプターサービス市場は、2024年時点で約254〜315億ドル規模と推計され、2030年代にかけて継続成長が見込まれています。これは旅客輸送、救急医療サービス、観光、救助活動、インフラ支援など用途の広がりが背景です。また地域別では、アジア太平洋地域において2023〜2030年の予測で約6.9%の年平均成長率が見込まれており、インフラ整備や災害対応、ビジネス・観光需要の増加によりサービスニーズが加速しています。
日本国内におけるヘリコプターサービス市場は、2023〜2033年の予測で年平均成長率は約6.3%とされています。これは救急医療サービス(HEMS)、災害支援、ビジネス移動、観光用途の利用が拡大していることが要因です。
また、国内チャーター市場でも2022年の約9億ドル規模から2030年に約16億ドルへ拡大する予測があり、ビジネスや観光向けの移動需要が高まっていることが分かります。
日本の市場は、他国と比べて成長率がやや遅めではあるものの、既にヘリコプターの商業用途が定着しており、これからも成長の余地がある分野です。特に、災害対応や地方都市へのアクセスに関しては、世界的なトレンドと重なる部分が多く、国内需要は引き続き拡大していくでしょう。また、観光面でのヘリコプター利用が増加しており、今後はさらに多くの人々にとって身近な移動手段となる可能性があります。
会社概要
・会社名: Space Aviation株式会社
・所在地:
本社:京都市伏見区向島柳島1番地 JPD京都ヘリポート
京都営業所:京都市中京区橋弁慶町227番地 第12長谷ビル7階
整備基地:岡山県岡山市南区浦安南町672番地1
・設立年月日:2019年5月7日
・代表者名:
取締役会長 森岡 匠
代表取締役社長 保田 晃宏
・公式HP URL: https://space-aviation.com/
まとめ
Space Aviation株式会社は、ヘリコプターという新しい移動手段を通じて、都市間移動の効率化、観光の新しい形、防災・減災支援などの社会的課題解決に取り組んでいます。今後の成長には、資金調達や新技術開発に対する投資が重要な役割を果たし、特にエアモビリティ市場における可能性を拡大しています。社会課題解決に貢献しながら成長する企業として、今後の展開に注目が集まることは間違いありません。
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