最終更新日 26/01/27
国内スタートアップ注目企業

【株式会社すきだよ】AI活用でカップル・夫婦の関係改善をサポート⁉

システム開発・サービスヘルスケア
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(引用:STARTUP LOG

パートナーシップの維持は、現代社会で多くの人が直面している重要な課題です。日本では離婚率や夫婦・カップル間のコミュニケーション不足が社会的に注目されており、関係性の悪化は家庭内だけでなく心理的・経済的な負荷も生みます。こうした背景から、恋人や夫婦が対話を促進し、価値観の共有を助けるテクノロジーへのニーズが高まっています。

株式会社すきだよは、この「カップルTech(Couple Tech)」という新しい領域に挑戦するスタートアップです。テクノロジーを活用し、カップルや夫婦が互いの価値観を理解し合い、関係を健康に育むためのサービスを提供しています。恋愛や結婚といった身近なテーマをビジネスとして捉え、社会課題の解決にまで踏み込む姿勢は、ビジネスパーソンにとっても示唆に富んでいます。

事業内容 ~日常の中で育む、愛情と絆の強化~

(引用:PAKUTASO

①AIカップル向けアプリ「Riamo」

(引用:公式ホームページ

「Riamo(リアモ)」は、株式会社すきだよが開発した AI搭載のカップル・夫婦向けコミュニケーションアプリです。
Riamo」という名前は、Relationship(関係性)Amore(愛、イタリア語)を組み合わせた造語です。パートナーとの関係性を大切に育むというコンセプトが込められています。日常的な会話を自然に促し、関係性を可視化・育てることを目的に設計されています。

現時点ではβ版として提供されており、サービスは日本語/英語/韓国語対応です。リリースから4週間でレビュー件数が200件を超え、評価は 4.7/5点 と高評価。男性からの招待率47%という数字が報告され、従来の「対話アプリで男性ユーザーの参加が低い」という課題を打破しつつあります。

♡ 毎日の「仲が深まる質問」

Riamoでは、カップルに向けてかわいい動物たちが毎日パーソナライズされた質問をお届け。この質問に回答することで、自然に会話が生まれ、相手の考え方や価値観が見えてくる仕組みです。
質問の内容は日常のささいなことから、関係性の本質に迫るものまで幅広く、簡単なやりとりを重ねるだけで自然と絆が深まる設計です。

♡ AIによる関係性レポート

アプリ内での回答履歴をもとに、AIがふたりの性格や価値観、関係性の傾向を分析してレポートとして提示します。
「お互いの価値観の違い」や「強み・弱みの傾向」などを可視化し、ユーザーが自分たちの関係性を客観的に理解できるようサポートします。

共有ウィッシュリスト

ユーザーが二人で 将来やりたいことをリスト化し共有する機能もあります。
次のデートプラン、行ってみたい旅行先、一緒に始めたい趣味など、ふたりの目標・希望を一緒に管理することで、関係性を育てる動機づけにつながります。

②コミュニケーションアプリ「ふたり会議」

(引用:KEPPLE

ふたり会議は、株式会社すきだよが開発・提供するカップル・夫婦向けの対話支援サービスです。
最大の特徴は、「仲良くなるための会話」ではなく、関係を長く健やかに続けるための対話にフォーカスしている点にあります。
恋人や夫婦の関係では、「話し合いが大事」と分かっていても、何を話せばいいか分からない、重くなりそうで切り出せない、感情的になってしまうといった理由から、重要なテーマほど先送りされがちです。ふたり会議は、こうした“話せない構造そのもの”を壊すための仕組みとして設計されています。

♡ ちょっと踏み込んだ質問内容

ふたり会議の中核を成すのが、専門的な知見をもとに設計された質問コンテンツです。質問は雑談的な内容ではなく、以下のような関係性の本質に関わるテーマを扱います。

  • 金銭感覚や将来設計
  • 家事や生活スタイルの考え方
  • 愛情表現や不満の伝え方
  • 大切にしている価値観や優先順位

ユーザーは質問に答えるだけで、相手の考えを自然に知ることができ、「話し合おう」と構えなくても、対話のきっかけが生まれる設計になっています。

♡ 会話ではなく会議

サービス名にあえて「会議」という言葉を使っている点も、ふたり会議の特徴です。このプロダクトでは、恋愛を感情論だけで捉えるのではなく、関係性を一つのプロジェクトとして扱う視点を提供しています。
感情的なぶつかり合いではなく、「考えを共有し、合意形成を行う」というスタンスで対話を進められるため、衝突を減らし、建設的な関係構築につながります。
この考え方は、共働き世帯や長期交際中のカップルなど、現実的なパートナーシップを重視する層から特に高い支持を得ています。

株式会社すきだよ誕生の背景

株式会社すきだよは、「人と人との関係性を、テクノロジーで支援できないか」という問いから生まれました。
代表のあつたゆか氏は、幼少期をアメリカで過ごし、異なる文化や価値観の中で生活した経験を持ちます。その中で培われたのが、「価値観の違いがあっても、対話によって理解し合える」という感覚でした。

(引用:WASEDA LINKS

そんなあつた氏にとって、カップルという関係性は最も身近でありながら最も難しい“異文化コミュニケーション”だそうです。
特に同国籍同士のカップルや夫婦では、「私たちは分かり合えているはず」「価値観は大きく違わない」という前提で会話が進みがちです。しかし実際には、靴下のたたみ方といった日常の習慣から、子どもを持つかどうかといった人生の根幹に関わるテーマまで、価値観は一人ひとり大きく異なります
「普通はこうだよね?」という無意識の思い込みが先に立ち、自分の“当たり前”を相手も共有していると考えてしまう。この前提のズレこそが、話し合いがうまく進まない原因となり、すれ違いや不満を生み出していくと、あつた氏は指摘します。

このように、身近な関係であるはずのカップルほど価値観の違いが見えにくく、そのズレが対話不足やすれ違いを生んでいる——あつた氏はこの構造に強い問題意識を抱くようになりました。そして、「違いがあること」を前提に話し合える仕組みさえあれば、関係性はより健やかに育てられるのではないかと考えるようになります。

こうした問いを個人の気づきで終わらせるのではなく、誰もが日常的に使える形で社会に届けたい。その想いから、カップルや夫婦の対話を支援するプロダクトの構想が生まれ、2019年に株式会社すきだよを創業。対話のきっかけを提供する「ふたり会議」を皮切りに、関係性そのものを支えるテクノロジーの開発へと踏み出しました。

資金調達:シードラウンドで8,500万円を調達

(引用:PR TIMES

株式会社すきだよは、2026年1月にシードラウンドとして総額8,500万円の資金調達を実施しました。
本ラウンドには、ANRI、mint、i-nest、UNERI、カヤックなど、国内スタートアップ支援の実績を持つ投資家・ベンチャーキャピタルが参画しています。

今回の資金調達は、同社が展開する「ふたり会議」およびAIカップルアプリ「Riamo」が、プロダクト検証フェーズを終え、スケールを見据えた成長段階に入ったことを示す節目と位置づけられます。


投資家が評価したポイント

本ラウンドでは、複数の投資家から共通して以下の点が評価されました。

  • カップル・夫婦の関係性という普遍的かつグローバルな課題設定
  • 対話を促進する明確なUX設計と継続利用を前提としたプロダクト構造
  • AIを活用し、国や文化を越えて展開可能なプロダクト設計
  • 短期間で高評価レビューと多国籍ユーザーを獲得している初期実績

特にRiamoについては、リリース後まもなく複数国で利用されるなど、Day1からグローバル展開を意識したプロダクト戦略が評価されています。


調達資金の使途

今回調達した資金は、以下の領域を中心に投資される予定です。

  • AI機能を中心としたプロダクト開発の強化
  • UX改善および継続率向上に向けたプロダクト磨き込み
  • 国内外でのユーザー獲得およびマーケティング施策
  • プロダクト・グロース人材を中心とした組織体制の強化

同社は、感情的になりやすい「恋愛・パートナーシップ」というテーマを、テクノロジーによって再現性のあるプロダクトへと落とし込むことを目指しており、今回の資金調達はその取り組みを加速させるものとなります。


今後の展望

株式会社すきだよは本ラウンドを起点に、国内での認知拡大と並行して、海外市場への展開を本格化させる方針です。カップル・夫婦向けという一見ニッチに見える領域でありながら、ライフステージ全体を通じて長期利用が見込める点は、高いLTV(顧客生涯価値)を持つ事業モデルとしても注目されます。
今回の資金調達は、「関係性支援」という新しい市場において、事業として成立する可能性を示した重要な一歩と言えるでしょう。

市場規模:カップルTech・パートナーシップ支援市場

デーティングアプリ市場の成長推移

(引用:Next Move Strategy Consulting

恋愛・パートナーシップ領域におけるデジタルサービス市場は、近年大きく拡大しています。伝統的なマッチングアプリに代表されるデーティングアプリ市場は、世界的な成長が続いており、
2025年の市場規模(世界):約115億〜125億米ドル(約1.5兆〜1.6兆円)
2035年には約248億5,000万米ドルまで拡大と予測される
というデータもあります。これらは年平均成長率(CAGR)で約7〜8%前後の成長を見込んだ予測です。

この背景には、スマートフォンの普及やインターネット利用率の向上により、恋愛・パートナーシップの形成過程がデジタルシフトしていることが挙げられます。男女を問わず、出会いの機会や関係形成の支援をデジタルで行いたいという需要が高まっているのが特徴です。

関係性・カップル支援アプリ市場の成長見通し

(引用:Business Research Insights

特に、対話支援・関係性管理に特化したカップル向けアプリ市場も独自の成長予測が出ています。
ある調査レポートによれば、2024年:約20億米ドル(約2800億円)から2033年:約57億7,000万米ドル(約8,000億円超)に成長すると予想されています(2033年までCAGR約12.5%)。

この伸び率は、従来のマッチング市場や出会い系アプリよりも高く、関係性維持・育成を支援するニーズが強いことを示しています。ふたり会議やAI搭載アプリを提供するすきだよのようなサービスは、まさにこの成長トレンドに乗る形です。

【会社概要】

  • 会社名:株式会社すきだよ
  • 所在地:東京都豊島区池袋3‑34‑7 ビジネスパーク池袋2階
  • 設立年月日:2019年9月
  • 代表者名:あつた ゆか(代表取締役社長)
  • 公式HP URLhttps://sukidayo.co.jp/

まとめ

株式会社すきだよは、カップル・夫婦のパートナーシップ問題という現代的な社会課題に真正面から取り組むスタートアップです。対話を促すアプリ「ふたり会議」やAI活用の「Riamo」を通じて、価値観共有や関係性の深化を支援しています。国内外で注目されるこの領域で、同社はユーザー生活に寄り添うサービスを拡充しつつ急成長しています。

恋愛や結婚といった誰もが関わるテーマだからこそ、株式会社すきだよのアプローチは社会全体の幸福度向上にも寄与します。今後のプロダクト進化と海外展開に注目したい企業です。

New Venture Voice では、このような注目スタートアップを多数紹介しています。株式会社すきだよのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もぜひご覧ください。

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