最終更新日 26/01/29
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【株式会社トドケール】AI物流で配送業界に革新を起こす最適化ソリューション

システム開発・サービス
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(引用:STORIUM

現代のビジネスシーンにおいて、テレワークやハイブリッドワークはもはや一般的な働き方となりました。多くの業務がクラウド化され、場所を選ばずに働ける環境が整いつつあります。しかし、その一方で「紙の書類」や「荷物」といった物理的なモノの存在が、完全な柔軟な働き方を阻む大きな壁となっています。

特にオフィスの「郵便物・配達物管理」は、いまだに多くのアナログな作業が残っている領域です。総務担当者が手書きの台帳で荷物を管理し、受取人にチャットや電話で個別に連絡を入れ、受取人は荷物を確認するためだけに出社する――。このような非効率なプロセスは、多くの企業で共通の課題となっていました。

この「オフィスのラストワンマイル」におけるアナログな課題を解決するために立ち上がったのが、株式会社トドケールです。同社は「人とモノをつなぐ」というミッションのもと、オフィスの物流をデジタル化することで、企業の生産性向上とより自由な働き方の実現を強力に後押ししています。

事業内容:場所を選ばない働き方を支えるオフィス物流プラットフォーム

①郵便物・配達物管理SaaS「トドケール」

(引用:公式ホームページ

株式会社トドケールの主力事業は、オフィスに届くあらゆる郵便物や配達物をデジタルで一元管理するクラウドサービス「トドケール」の開発・運営です。
このサービスは、従来のアナログなメール室業務を劇的に効率化します。

「トドケール」の爆速3STEP

(引用:公式ホームページ

1.【スキャン】スマホでパシャリ! メール室や受付に届いた荷物の伝票を、専用アプリのカメラで撮影します。

2.【通知】AIが自動で連絡! AIが宛名を読み取って「誰宛か」を特定。SlackやTeamsなどのチャットツールに「荷物届いたよ!」と自動で通知が飛びます。

3.【指示】スマホで選ぶだけ! 通知を受け取った人は、外出先や自宅からスマホ画面をタップ。「中身をスキャンしてPDFで送って」「自宅に転送して」「今は不要だから廃棄して」といった指示を出すだけで完了です。

このサービスの最大の特徴は、徹底した現場目線の使いやすさと、既存のコミュニケーションツールとの高度な連携にあります。また、電子サイン機能や受領履歴の自動蓄積により、内部統制(ガバナンス)の強化にも寄与します。導入企業では、荷物管理にかかる工数を最大90%削減できたという事例もあり、大手企業を中心に70社以上の導入実績を誇ります。

事業内容②:業務代行サービス「クラウドメール室」

「トドケール」がシステムを提供する一方で、運用そのものをアウトソーシングしたいというニーズに応えるのが「クラウドメール室」です。
これは、「トドケール」のシステムを活用しながら、郵便物の受け取り、仕分け、スキャン、配送といった物理的な作業を同社の専門スタッフが代行するBPOサービスです。

(引用:公式ホームページ

このサービスを利用することで、企業は物理的なメール室を自社で維持する必要がなくなります。特に、出社率を下げてオフィスを縮小したい企業や、総務リソースをより付加価値の高い業務に集中させたい企業にとって、非常に有効なソリューションとなっています。また、障がい者雇用と組み合わせたスキームの提供など、社会的な課題解決にも取り組んでいる点が独自性として挙げられます。

事業内容③:社内便管理とAI活用による「物流プラットフォーム」への進化

同社は現在、単なる郵便管理の枠を超え、オフィス内のあらゆる「モノの移動」を最適化するプラットフォームへと進化を続けています。2024年9月には「社内便(拠点間移動)」の管理機能をリリースし、大規模な拠点を持つ企業内での物流可視化を実現しました。

さらに、最新の動向として大規模言語モデル(LLM)などのAI技術を積極的に取り入れています。発送伝票の自動作成や、最適な配送ルート・手段の提案、さらには過去のデータに基づいた不要なダイレクトメールの自動判別・削減提案など、テクノロジーを駆使した機能開発を加速させています。これにより、ユーザーは物流の専門知識がなくても、最もコスト効率が良く、環境負荷の低い方法でモノを送り、受け取ることができるようになります。

資金調達:累計4.5億円の資金獲得と事業拡大の加速

株式会社トドケールは、その高い成長ポテンシャルと社会的な意義が評価され、戦略的な資金調達を継続的に実施しています。

直近の資金調達実績

(引用:公式ホームページ

最新の大きな動きとしては、2024年12月にシリーズAラウンドにおいて、WiL(World Innovation Lab)をリード投資家として3億円の資金調達を実施しました。これに続き、2025年5月にはスタートアップ融資を含むセカンドクロージングを行い、1.5億円を追加調達シリーズAラウンドとしての調達総額は4.5億円に達しました

直近の調達完了日: 2025年5月30日(シリーズAクローズ)
調達額: シリーズA総額 4.5億円
調達先: WiL、ジェネシア・ベンチャーズ、および金融機関等

創業者の背景と事業への想い

(引用:X

代表取締役の野島 剛氏は、公認会計士や税理士の資格を持ち、大手コンサルティングファームで10年間のキャリアを積んだ人物です。その後、米国でMBAを取得し、カリフォルニアの投資ファンドや宅配ロッカーのスタートアップでのインターンを経験しました。野島氏が着目したのは、テクノロジーが進化しても依然として解決されない「物流のラストワンマイル」の非効率性でした。米国での生活を通じて、オフィスビルにおける物流管理が整っている一方で、日本のオフィスがいかにアナログであるかを痛感し、2018年に株式会社トドケールを創業しました。

調達資金の使途と戦略

今回の調達資金は、主に以下の3点に投入されています。

人材採用の強化 導入企業が急増する中、カスタマーサクセスや営業部門の体制を強化し、大手企業への導入を加速させています。
プロダクト開発 AIを活用した新機能の開発や、既存システムとのAPI連携を深め、ユーザー体験をさらに向上させています。
周辺領域への拡大 郵便物だけでなく、備品管理や資産管理といった周辺の総務DX領域への機能拡張を進めています。

市場規模:オフィスDXと物流オートメーションの世界的拡大

株式会社トドケールが展開する事業領域は、「オフィスDX」「PropTech(不動産テック)」「物流オートメーション」という、今後大きな成長が見込まれる複数の市場に跨っています。

郵便自動化・管理システムの市場成長

(引用:Mordor Intelligence

調査会社Mordor Intelligenceのデータによると、郵便自動化システムの市場規模は2025年に約96.5億米ドルに達し、2030年には218.1億米ドルまで拡大すると予測されています。

この間の年平均成長率(CAGR)は17.71%という極めて高い水準です。
これは、人件費の高騰や、eコマースの拡大に伴う配達物量の増加に対応するため、世界中の企業や施設が自動化・デジタル化への投資を強めていることを裏付けています。

国内における「物流の2024年問題」とDXの加速

日本国内においては、働き方改革関連法によるトラックドライバーの残業時間制限(いわゆる2024年問題)や深刻な労働力不足が、物流効率化の強い追い風となっています。特にオフィスビルにおける館内物流の停滞は、ビル全体の資産価値や入居企業の満足度に直結するため、デベロッパーやファシリティーマネジメント企業からの関心も急速に高まっています。

市場におけるポジションと将来性

「トドケール」の強みは、この巨大な物流市場の中でも、最もデジタル化が遅れていた「オフィスの受取・発送」というニッチながらも必須の領域で先行している点です。企業のペーパーレス化が進む中で、最後まで残る物理的な「荷物」をデジタルデータとして統合管理できる同社のプラットフォームは、今後のスマートオフィス化において欠かせないインフラとしての地位を確立しようとしています。

会社概要

会社名:株式会社トドケール
所在地:東京都千代田区九段南1-5-6 りそな九段ビル5F KSフロア
設立年月日:2018年7月24日
代表者名:野島 剛
公式HP URLhttps://www.todoker.com/

まとめ

株式会社トドケールは、企業が見落としてきた「オフィスの郵便物管理」にテクノロジーで革新をもたらしています。提供するソリューションは、効率化だけでなく、場所にとらわれない新しい働き方を実現するための重要な一歩です。

創業者の野島氏は、オフィスに届くあらゆるモノがデータとしてスムーズに流れる未来を描いており、AIの活用や社内便管理への拡大を進めています。日本独特の商慣習に配慮しながら、グローバルな視点で物流を再定義する同社の取り組みは、今後注目を集めるでしょう。

オフィス物流を簡単に享受できるインフラへと昇華させる「トドケール」の挑戦は、投資家やビジネスパーソンにとって見逃せません。

New Venture Voice では、このような注目スタートアップを多数紹介しています。株式会社トドケールのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もぜひご覧ください。

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