
近年、環境意識の高まりと共に、電気自動車(EV)の普及が進んでいます。EVの普及に伴い、充電インフラの整備が重要な課題となっています。充電スポットが不足している地域や、充電設備の管理が難しいという問題も顕在化しています。株式会社GO TO-Uはこの課題に取り組むべく、充電インフラ向けのソフトウェアプラットフォームを提供しています。
同社は、充電スタンドを運営する企業やEVユーザーが充電インフラを効率的に管理できるように支援するソフトウェアを開発。特に、EVドライバーにとっては充電スタンドの検索、予約、決済機能をアプリで提供しており、利便性の向上を目指しています。
事業内容:EV充電インフラ管理プラットフォーム

株式会社GO TO-Uは、充電スポット運営者(CPO)に向けたEV充電インフラの管理プラットフォームを提供しています。このプラットフォームは、充電ステーションの位置、稼働状況、料金体系などの情報を一元管理でき、EVユーザーに対しては、スマートフォンで充電スポットの検索、予約、決済を簡単に行えるサービスを提供します。
①充電ステーションの管理ツール
〇充電ステーションの稼働状況のリアルタイムモニタリング
管理者は、どの充電スタンドが使用中で、どれが空いているかをリアルタイムで把握できます。これにより、ユーザーは事前に空き状況を確認でき、混雑時のストレスを軽減します。

〇料金設定・変更の簡便化
充電料金を自由に設定できる機能も提供されています。季節や時間帯によって異なる料金体系を設定することも可能で、柔軟な料金管理が実現します。また、料金変更を行った際にもすぐに反映されるため、運営者側の負担が大幅に軽減されます。
〇メンテナンスと故障の管理
充電スタンドが故障した場合や定期的なメンテナンスが必要な場合、システム上で通知を受け取り、作業のスケジューリングができます。これによって故障によるダウンタイムを最小限に抑えることができます。
〇充電履歴の確認とデータ分析
過去の充電データや使用状況、収益状況を確認できるデータ分析機能も提供されており、運営者は充電スタンドの効率を最大化するための戦略を立てることができます。
②EVユーザー向けアプリ

〇充電スポットの検索機能
アプリを使って自分の現在地や目的地周辺の充電スポットを簡単に検索できます。
地図機能を活用して、目的地に向かう途中で最も便利な充電ステーションを見つけることができます。
〇予約機能
多くの充電スタンドでは事前予約機能を提供しています。ユーザーは到着前に充電スポットを確保でき、現地での「待機時間」を減らすことができます。混雑する時間帯には特に便利な機能です。
〇充電開始・終了の操作
アプリを通じて充電を開始したり終了したりすることができます。これにより、タッチレスでの充電管理が可能となり利便性が大きく向上します。
〇充電状況のリアルタイム確認
充電の進行状況や残り時間をリアルタイムで確認でき、次の予定に合わせて充電を完了させることができます。
③決済システム
〇多様な決済方法
クレジットカードや電子マネー、モバイル決済など、複数の支払い方法から選ぶことができます。ユーザーは自分に合った決済方法を選べ、支払いが非常にスムーズです。
〇事前登録と自動支払い
ユーザーはアプリ内でクレジットカード情報を事前に登録しておくことができ、充電が終了すると自動的に支払いが行われます。
〇透明な料金表示
充電前に料金が明確に表示され、ユーザーは事前に支払う金額を確認できます。不明瞭な料金体系によるトラブルなどの問題解決につながります。
〇領収書の発行
支払いが完了した後、アプリ内で領収書が発行され、ユーザーは簡単に確認・ダウンロードできます。企業利用者にとっても経費精算の際に便利です。
資金調達

GO TO-Uの成長を支えているのは、単なる資金提供にとどまらない、業界の巨人たちとの強力なネットワークです。
最新の調達状況(2025年時点)
- 最新ラウンド(2025年4月): ウクライナ系の実力派VCであるSID Venture Partnersから資金を調達。この資金は、北米全域でのセールスチーム強化とAIによる需要予測アルゴリズムの開発に充てられています。
- 累計調達額: 約550万ドル(約8.2億円)。
- 主要な投資家と支援組織:
- ABB EL Ventures (ABB): 産業オートメーションとEV充電器ハードウェアの世界最大手。
- Techstars: 世界的に名高いアクセラレーター。
- Blue Collective: ニューヨークを拠点とするVCで、初期段階からの成長を支援。
- 欧州・ウクライナのエンジェル投資家群: 創業者のルーツであるウクライナの技術エコシステムからも強い支持を得ています。
なぜ投資家はGO TO-Uを選ぶのか?
投資家が評価しているのは、同社の「アセットライト(資産を自社で持たない)」なビジネスモデルです。自社で充電器を設置するのではなく、既存のインフラを最適化するソフトウェアを提供することで、爆発的なスケールアップが可能であるという点が、高い評価に繋がっています。
2025年〜2026年の戦略:ハードウェアとの融合
2025年後半には、充電器メーカー大手Wallboxとの戦略的提携を発表。Wallboxの急速充電器「Supernova」にGO TO-UのOSが標準搭載されるなど、ソフトウェアの「プレインストール戦略」を加速させています。
これにより、商業施設やオフィスビルのオーナーは、GO TO-Uを導入するだけで、決済・予約・顧客管理を一元化できるようになりました。

市場規模:世界のEV充電インフラ市場動向
電気自動車(EV)の普及が加速する中で、充電インフラの整備は欠かせない要素となっています。特に、充電スタンドの数とその管理システムは今後のEV市場の成長に大きく影響を与える要因です。そこで注目すべきは、EV充電インフラ市場の急成長です。
市場規模の予測
世界のEV充電インフラ市場は、2024年に約316.9億米ドル、2025年には約388.8億米ドルに達すると予測されています。さらに、2033年には約1,997.7億米ドルに拡大し、市場は今後数年間で急速に成長することが見込まれています。この期間中の年平均成長率(CAGR)は約22.7%と予測されており、非常に高い成長が期待されています。
EV充電インフラの重要性
EV市場の拡大と並行して、充電インフラの充実が求められています。充電ステーションの数が増え充電スピードが向上することで、EVユーザーの利便性が大きく向上し、EVの普及がさらに加速することが期待されます。特に、急速充電や超急速充電のインフラ整備は長距離移動や商業利用を前提とした需要に対応するために不可欠です。
市場の将来展望
今後EV充電インフラは、都市部だけでなく地方部や高速道路のサービスエリアなど、より広範囲に整備されていく見込みです。充電設備の設置が進むと同時に、管理システムや決済機能を提供する企業に対する需要も増え、プラットフォーム型のソフトウェア提供企業の成長が促進されると予想されています。
会社概要
・会社名: Go To‑U Inc.
・所在地: 3415 South Sepulveda Blvd, Suite 1100, Los Angeles, California, 90034, United States
・設立年月日: 2017年
・代表者名: Nazar Shymone‑Davyda(創業者兼CEO)
・公式HP URL: https://go-tou.com/en
まとめ
株式会社GO TO-Uは、EV充電インフラ市場において重要な役割を担う企業です。充電スタンドの管理システムを提供し、EVユーザーにとって便利で効率的な充電体験を実現しています。今後、EV市場の成長に伴い同社のサービスはさらに多くの地域で需要が高まり、事業の拡大が期待されます。ビジネスパーソンにとっても、持続可能なエネルギーとEVの未来に注目するべき企業です。
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