
日本は超高齢社会を迎え、高齢者の生活を支えるテクノロジー「エイジテック(AgeTech)」が注目されています。介護や医療だけでなく、高齢者の生活の質向上や自立支援を目的としたサービスが次々と登場しています。例えば、在宅で安心して暮らせる環境づくり や 認知症による資産凍結防止、介護の負担軽減 など、多方面から高齢者とその家族を支える取り組みが注目されています。以下に、その代表的な企業を4社紹介します。
- 株式会社AgeWellJapanー専任パートナーがシニアをサポートするサービス「もっとメイト」
- 株式会社ファミトラー「認知症による資産凍結」に備える家族信託サービス
- Sensi.AI(センシー・エーアイ)ー世界初!音声で在宅介護を支援するイスラエル発のスタートアップ
- Doccla(ドクラ)ーバーチャルベッドで医療現場を改革する欧州スタートアップ
株式会社AgeWellJapan

株式会社AgeWellJapanは、「介護支援に留まらず、高齢者一人ひとりの自己実現を支援する」というビジョンのもと、シニア世代のウェルビーイング向上につながるサービスを展開するスタートアップです。例えば、若い世代(“孫世代”)が専任パートナーとして定期的に高齢者と対話・サポートする「もっとメイト」というサービスでは、シニアの暮らしを豊かにする伴走支援を提供しています。2040年には日本の65歳以上人口が35%に達すると予測される中、「歳を重ねることがポジティブになる社会」を目指して資金調達も進めており、高齢者の自己実現を後押しする新たな超高齢社会モデルに挑戦しています。
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株式会社ファミトラ

株式会社ファミトラは、認知症による資産凍結の不安を解消するために、ITを活用した家族信託サービスを提供するスタートアップです。親が認知症になった場合に備え、事前に財産管理を託す「家族信託」の手続きをオンラインで簡便化している点が特徴といえます。また、生命保険会社や製薬企業とも提携しながら、高齢の親を持つ家族に向けて専門家による信託コンサルティングやオンラインセミナーを提供し、老後の資産管理に安心をもたらしています。
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Sensi.AI(センシー・エーアイ)

Sensi.AIは、イスラエル発のスタートアップで、音声AI技術を活用した世界初の在宅介護「仮想ケア」サービスを提供しています。専用デバイスが高齢者の自宅に設置され、プライバシーに配慮しつつ音声のみで24時間体制の見守りを行う点が画期的です。例えば、転倒の検知や痛みの訴えといった基本機能に加え、認知機能低下の兆候や感染症の初期症状まで音声から察知して警告することが可能であり、高齢者の異変を早期にキャッチして家族や介護者に通知することで、予防的な対応につなげられます。既に米国の在宅介護事業者に導入が進んでおり、AIによる見守りで介護サービスの質向上と負担軽減に貢献しています。
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Doccla(ドクラ)

Docclaは、スウェーデン発、現在ロンドン拠点のスタートアップで、「バーチャルベッド」サービスによって高齢患者の在宅モニタリングを実現しています。コロナ禍や高齢化で医療現場のベッド不足が深刻化する中、Docclaは退院後の患者や入院が難しい患者を遠隔で見守るシステムを開発しました。患者は専用アプリと測定デバイスを用いて自宅からバイタルサインを送信し、医療スタッフがリアルタイムで監視・対応します。これにより病院の早期退院を後押ししつつ、患者に必要なケアを在宅で継続できます。高品質なモニタリング機器と使いやすい患者用アプリが特徴で、年齢やITスキルに関わらず利用しやすい設計になっています。同社は、2024年9月に欧州で約4600万ドルの大型資金調達を行っており、イギリスのNHS(国民保健サービス)をはじめ欧州各国へサービスを拡大中です。
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まとめ
今回は国内外の超高齢社会を支えるエイジテックスタートアップを4社紹介しました。高齢化が進んでいく世の中で、これらの企業はより注目を集め事業を拡大させていくことが期待されます。
New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。
国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。