最終更新日 26/01/15
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「世界一ひとにやさしい現場を創る」―建ロボテックの技術とは?

DXロボット
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(引用:PR TIMES)

建設業界は、急速に進行する人手不足と作業員の高齢化という課題に直面しています。これに加え、作業の効率化と安全性の向上がますます求められている中で、テクノロジーの活用は必要不可欠となっています。特に、省力化や省人化を実現する技術の導入は、業界の生産性を大きく向上させる可能性を秘めています。
建ロボテック株式会社は、こうした課題に対応するため、建設業務に特化したロボティクス技術DXを支援するサービスを提供しています。自社開発した「トモロボ」「建設DX支援サービス」は、業界の効率化と生産性向上を目指した革新的なソリューションを提供しており、建設現場の安全性と作業効率を改善しています。

本記事では、建ロボテック株式会社の事業内容、資金調達の動向、そして市場における影響について、詳しくご紹介します。

事業内容①:省力・省人化ソリューション「トモロボ」

建設現場の作業効率化や省力化を実現するために、建ロボテックが開発した「トモロボ」シリーズ。
現場での作業負担を軽減し、作業の安全性や生産性を向上させるこのシリーズは、鉄筋結束トモロボと運搬トモロボの2つの主要なロボットから成り立っています。それぞれのロボットについて詳しくご紹介します。

鉄筋結束トモロボ:鉄筋工事の結束作業を自動化

(引用:公式HP

鉄筋結束トモロボは、建設現場で行われる鉄筋の結束作業を自動化するために開発されたロボットです。従来の手作業による結束作業は、非常に重労働で時間がかかり、作業員の負担が大きいだけでなく、疲労やミスが生じやすいという課題がありました。鉄筋結束トモロボは、精度の高い結束を素早く行うことができ、作業の効率化と安全性向上に貢献します。

特徴と機能

  • 省力化と安全性の向上
    鉄筋結束トモロボにより、作業員は重労働から解放され、体力的な負担が軽減されます。これにより、作業員の健康リスクを減少させ、作業中の事故を防ぐことができます。
  • 精密な鉄筋結束
    鉄筋結束トモロボは、精密なセンサーと専用の結束ツールを搭載しており、鉄筋を確実に結束します。人間の手による結束と比較して、ミスが少なく、均等で高精度な作業が可能です。
  • 作業効率の向上
    従来の手作業に比べ、結束作業のスピードが大幅に向上します。これにより、作業時間の短縮が実現し、現場の生産性が向上します。

    鉄筋結束トモロボは、建設現場における鉄筋結束作業の効率化と安全性向上を実現する革新的なロボットです。手作業に比べて作業の精度が高く、作業時間を大幅に短縮できます。さらに、作業員の負担を軽減し、安全性を向上させるため、建設業界における省力化・省人化を推進する重要な技術となります。

「鉄筋結束トモロボ」第11回ロボット大賞で「国土交通大臣賞」受賞!

(引用:PR TIMES)

「鉄筋結束トモロボ」は2024年に第11回ロボット大賞で「国土交通大臣賞」を受賞しました。
受賞理由として、簡単な機構で、軽量かつ安価に効率的な鉄筋結束作業を実現する使いやすいロボットである点、国内外で特許を取得する高度な技術、実績ある現場導入と事業展開、省人化と生産性向上への貢献などが評価されています。
ロボット大賞は、日本のロボット技術の発展や社会実装を促進することを目的として、ロボットの活用から研究、人材育成などの多様な分野において、優れた取り組みを行う企業等を表彰する制度です。
2006年に第1回が開催されて以降、2008年からは隔年で開催しています。

運搬トモロボ:建設現場の荷物運搬をサポート

(引用:公式HP

運搬トモロボは、建設現場における荷物の運搬作業を自動化するロボットです。建設現場では、材料や機材を運ぶ作業が頻繁に発生しますが、これには重い荷物を持ち運ぶ必要があり、作業員に大きな負担をかけています。運搬トモロボは、この運搬作業を効率的にこなすため、作業員の負担を軽減し、現場全体の作業スピードを向上させます。

特長と機能

  • 高い牽引力
    自重28kgのロボット2台を使用することで、最大500kgの運搬が可能。軽自動車のトランクに収まる大きさで、作業員一人で運搬ができるため、使い勝手が抜群です。
  • カスタマイズ可能な台車
    運搬する物によって専用台車をセレクトでき、鉄筋、セメント袋、木材、鉄骨など、様々な資材に対応します。台車を変更することで、用途ごとに最適な運搬が実現できます。
  • 不整地に対応するレールシステム
    現場の段差や開口がある不整地でも、高耐久の仮設レールによってスムーズに走行できます。これにより、従来の運搬方法に比べて安定した運搬が可能です。
  • 8時間以上の連続稼働
    充電後、約8時間の運転が可能で、一般的な作業時間内での運用ができます。夜間に充電し、翌日の朝から再び使用できます。
  • 安全装備
    バンパーセンサや接触センサを搭載し、人や障害物に接触した際には自動で停止します。昼夜問わず安全に運用できるよう、ライトとブザー音も装備されています。

運搬トモロボは、建設現場での運搬作業を効率化し、作業員の負担を軽減する重要なツールです。軽量で強力な牽引力を持ち、カスタマイズ可能な台車と仮設レールシステムによって、どんな現場でも柔軟に対応可能です。これにより、安全性や生産性を大幅に向上させ、建設業界の未来を支えるロボットとなるでしょう。

事業内容②:建設DX支援サービス 「省人化・省力化ロボット導入支援」

建ロボテックの建設DX支援サービスは、建設現場に必要な省人化・省力化ロボットを迅速かつ効率的に選定し、提供するサービスです。自社の豊富な経験と知識を活かし、国内外の多様なロボットを厳選し、各現場に最適なロボットを提案・派遣します。このサービスを通じて、建設現場のDX化を加速し、効率化と省力化を実現します。

建設DX支援サービスは以下のステップで提供されます。

  • 建物構造や工程、予算を確認
    建物の構造(RC造、S造など)、工事の工程、予算などを事前に確認します。
  • 最適なロボットの選定
    建ロボテックが、国内外の多種多様な省人化・省力化ロボットの中から、現場に最適なロボットを選定し提案します。
  • ロボットの選択と派遣
    提案されたロボットの中から、現場に必要なロボットを選び、指定された時期に派遣します。

このワンストップサービスにより、現場のニーズに応じたロボットがスムーズに導入され、迅速なDX化を支援します。

資金調達:シリーズBエクステンションラウンドで1.8億円の追加調達

(引用:PR TIMES)

2025年2月10日、建ロボテック株式会社はシリーズBエクステンションラウンドにおいて、1.8億円の資金調達を実施しました。この形式は、既存のシリーズBラウンドを拡張するもので、第三者割当増資として行われています。シリーズBラウンドは2023年に実施されており、今回のエクステンションで追加調達されることによって、調達総額が上乗せされました。
この資金により、シリーズB単体の調達総額は3.3億円に達し、創業からの累計資金調達額は約7.8億円となります。建ロボテックは、安定的に資金調達を重ね、事業拡大に向けた基盤を強化し続けています。

【資金調達先】
・あわぎん未来創造投資事業有限責任組合(阿波銀キャピタル株式会社)
・JR東日本スタートアップ株式会社
・日本精工株式会社(NSK)
その他、複数の企業が出資者として名を連ねています。

これらの投資家は、建設業界に特化した省力化・省人化ロボットの開発を進める同社と協力し、技術面や事業展開面での連携強化が期待されています。特に、JR東日本スタートアップ株式会社との連携により、建設現場に加えて鉄道業界などのインフラ分野への技術拡大も視野に入れていると見られます。

【資金使途と事業戦略】
建ロボテックは、今回調達した資金を次の主要な用途に充てると発表しています。
・鉄筋結束ロボット「鉄筋結束トモロボ」の信頼性・生産性向上のためのアップデート開発
・先期ローンチした「運搬ソリューション」の本格的な事業化に向けた機器生産
・新たなソリューション提供領域の拡大に向けた社内体制の強化

これらの資金使途は、同社が掲げるミッションである「世界一ひとにやさしい現場を創る」という目標を達成するために必要な投資と位置付けられています。これにより、建設現場での作業効率化がさらに加速することが期待されます。

省力化・省人化ニーズの高まりによる建設DX市場の成長

(引用:矢野経済研究所

建設現場DXは、建設業界の効率化と省力化を実現するために、ハードウェア技術を中心に進化しています。特に注目されている技術は、自動化技術、遠隔操作、ドローン活用、建設用3Dプリンターなどです。これらの技術は、建設現場での作業負担を軽減し、安全性や生産性を向上させることが期待されています。

2024年度の建設現場DX市場(5分野合計)の規模は586億円と予測されており、2030年度には1,250億円に達すると予測されています。特に遠隔臨場技術やドローン活用はすでに現場での導入が進んでおり、安定した成長が期待されています。一方で、自動化技術や建設用3Dプリンターなどはまだ黎明期にあり、これらの技術の成熟と普及には時間がかかると見込まれています。

建ロボテックは、建設現場の省力化を実現するロボティクス技術を提供しています。同社が開発した「トモロボ」などの省力化ロボットは、現在、建設現場での運搬作業などをサポートしており、建設業界のDX化に貢献しています。市場が拡大する中で、建ロボテックの技術は今後ますます重要な役割を果たすことが予想されます。

会社概要

・会社名:建ロボテック株式会社 
・所在地
【本社】
〒761-0613 香川県木田郡三木町大字上高岡246番地2
電話番号:087-898-0555 FAX:087-813-0554
【東京オフィス】
〒170-0013 東京都豊島区東池袋3-20-16
東池袋ハイツ弐番館101号室
・設立年月日:2013年7月3日
・代表者名:代表取締役社長兼CEO 眞部 達也
・公式HP:https://kenrobo-tech.com/

まとめ

建ロボテックは、鉄筋結束・運搬といった重労働を担う「トモロボ」シリーズや、現場ごとに最適なロボットを提供する建設DX支援サービスを通じて、建設業界の省人化・省力化を推進してきました。拡大する建設DX市場と堅実な資金調達を背景に、同社の技術は今後さらに多くの現場で価値を発揮していくでしょう。社会課題の解決に真正面から向き合う姿勢は、多くのビジネスパーソンにとっても注目に値します。
New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。建ロボテック株式会社のように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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