最終更新日 26/04/01
国内スタートアップ

【ランディット株式会社】AIとデジタル技術で駐車場の管理と利用を革新するサービス

AIインフラ
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(引用:公式ホームページ

都市部での駐車場不足が深刻化する中、ドライバーは空いている駐車場を探すだけでも一苦労です。コインパーキングや月極駐車場、商業施設の駐車場など、どこも混雑しているため、車を停めるのにかかる時間や手間が大きな問題となっています。そんな中、ランディット株式会社は駐車場に関する面倒を解消するためのサービスを開発しました。

ランディットは、駐車場の検索から予約、管理までを一元化したデジタルソリューションを提供しており、駐車場を使うすべての人々の利便性を向上させるサービスを展開しています。特に「at PORT」「PIT PORT」など、駐車場探しを簡単にし、さらに予約や決済までできるプラットフォームは、ユーザーにも駐車場運営者にも好評を博しています。

事業内容

①パーキングAIエージェント「at PORT」

(引用:公式ホームページ

「at PORT」は、いわゆる駐車場検索サービスですが、単なる地図アプリとは少し違います。現在地や目的地をもとに、近くの駐車場を探せるだけでなく、“今どこが使いやすいか”という視点で情報が整理されています。


駐車場探しでありがちなのは、「近いけど満車」「安いけどわかりにくい」といったミスマッチです。at PORTはそのズレを減らすことに重点を置いており、ユーザーがその場で迷わず判断できる設計になっています。

(引用:PR TIMES

特に都市部では、数分の違いで空き状況が変わることもあります。そうした変動を前提に、リアルタイム性と使いやすさを両立している点が特徴です。
「とりあえずここに行けばいい」と判断できる安心感が、このサービスの価値と言えます。

②駐車場利用を“事前に完結”させる「PIT PORT」

(引用:公式ホームページ

「PIT PORT」は、駐車場の予約から決済までをスマートフォンで完結できるサービスです。

これまでの駐車場利用は、「現地に行ってみないと分からない」という前提がありました。空いているかどうかは行ってみて初めてわかる、料金も現地精算が基本——そうした“行き当たりばったり”の要素が強い領域です。

PIT PORTはその流れを変え、「行く前に確保しておく」という使い方を可能にしています。これにより、到着してから駐車場を探す必要がなくなり、移動全体のストレスが大きく減ります。

イベントや商業施設周辺など、混雑が予想される場面では特に効果が大きく、「駐車場も事前に押さえておく」という行動が自然になる点が特徴です。

③空いている駐車場を流通させる「SYNC PORT」

(引用:公式ホームページ

「SYNC PORT」は、駐車場の空きスペースをデジタル上で流通させる仕組みです。

実際には、使われていない駐車スペースは想像以上に多く存在します。企業の駐車場や月極の一部など、時間帯によって空いているにもかかわらず、外部からは利用できないケースがほとんどです。

SYNC PORTは、そうした“埋もれている空き”を可視化し、必要な人に届ける役割を担います。
駐車場のオーナーにとっては遊休資産の活用につながり、利用者にとっては選択肢が広がる。両者の間に新しい流れをつくっているサービスです。単なる掲載ではなく、運用や管理も含めてデジタル化している点がポイントで、継続的な収益化まで見据えた設計になっています。

④精算という“最後の手間”をなくす「PARK FLOW」

(引用:公式ホームページ

駐車場利用で意外とストレスになるのが「精算」です。
精算機に並ぶ、小銭がない、操作に戸惑う——最後の工程に手間が集中しがちです。

「PARK FLOW」は、この部分を一気に簡略化するサービスです。ETCやアプリと連携することで、入出庫から精算までをスムーズに行えるようにしています。

ユーザーにとっては“何もせずに出られる”体験が実現し、施設側にとっても回転率やオペレーションの改善につながります。いわば、「駐車場の最後の詰まり」を解消する役割を担っており、全体の体験を仕上げる重要なピースとなっています。

⑤管理そのものを軽くする「AIMO」「LiveBiz」

ランディットは利用者向けだけでなく、運営側の負担軽減にも踏み込んでいます。

AIカメラを活用した「AIMO」は、駐車場の状況把握や管理を自動化する仕組みです。現地に常駐しなくても状況が把握できるため、人手に頼っていた管理業務を減らすことができます。

さらに「LiveBiz」では、遠隔から現場の状況をリアルタイムで確認でき、トラブル対応や運営判断をスピーディに行えます。

駐車場運営は“現地ありき”のビジネスでしたが、こうした仕組みによって、より少ないリソースで回せる形へと変わりつつあります。

資金調達

(引用:PR TIMES

ランディットは2025年8月、みずほ銀行などから約20億円のデットファイナンスを実施しました。これは株式による資金調達ではなく、金融機関からの融資を通じた資金確保で、事業拡大と各プロダクトの連携強化を進めるための調達です。

同社はそれ以前にも、2021年10月のシードラウンドで約7,000万円、2022年7月のプレシリーズAで約1.5億円、2024年3月のシリーズAで約8億円を調達してきました。2024年のシリーズAではWiLがリード投資家として参画し、累計調達額は当時約12億円に達しています。

この流れを見ると、ランディットは単発で注目を集めるスタートアップというより、資本政策を段階的に積み上げながら事業を広げてきた会社だとわかります。特に2025年に大型のデットを入れている点からは、プロダクトの実証段階を越え、より本格的な拡大局面に入っていることがうかがえます。

市場規模:駐車場×モビリティ領域の拡大

(引用:GRAND VIEW RESEARCH

都市部の駐車場課題を背景に、スマートパーキング市場は世界的に拡大を続けています。上記のグラフを見ると、その伸びはかなりはっきりしています。

2023年時点では市場規模は約80億ドル(約1.2兆円)ですが、そこから右肩上がりで成長し、2025年には約102億ドル、2028年には約180億ドルへと拡大。そして2033年には約534億ドル(約8兆円規模)に到達する見込みです。

約10年で見ると、およそ6倍以上の成長です。インフラに近い領域でここまでの伸びが予測されているのは、かなり珍しいケースと言えます。
たとえば2023年から2025年までは約20億ドルの増加ですが、2031年から2033年にかけてはそれ以上の規模で一気に市場が広がっています。つまりこの市場は、すでに立ち上がり期を過ぎ、普及から拡大へと移行しているフェーズにあると考えられます。
また、グラフでは市場が「On-street(路上)」と「Off-street(施設・コインパーキング)」に分かれており、特に大きいのは後者です。商業施設やコインパーキングといった民間駐車場のデジタル化が、市場全体の成長をけん引していることが読み取れます。

こうした動きの背景にあるのが、駐車場のデジタル化です。これまでの駐車場は、現地精算や人手による管理が中心で、空き状況も分かりづらいのが当たり前でした。

しかし現在は、キャッシュレス決済やリアルタイム検索、さらにはAIカメラによる管理などが普及し始め、駐車場は単なる「停める場所」から、データとして扱われるインフラへと変わりつつあります。

ランディットが展開する各サービスも、まさにこの流れの中に位置しています。検索、予約、決済、管理といった複数の機能を横断的に提供することで、拡大する市場の中で独自のポジションを築いている点は見逃せません。

会社概要

・会社名:Landit Inc. / ランディット株式会社
・所在地:東京都港区三田3-5-27 住友不動産東京三田サウスタワー23F
・設立年月日:2021年
・代表者名:藤林 謙太
・公式HP URL:https://landit.co.jp/

まとめ

ランディットの特徴は、駐車場という身近なインフラを、部分的ではなく“全体”で捉え直している点にあります。

探す、予約する、支払う、管理する——それぞれ別々に存在していた仕組みをつなぎ直すことで、駐車場にまつわる体験そのものをシンプルにしようとしています。

一見すると地味な領域ですが、日常的に使われるインフラだからこそ、改善のインパクトは大きい分野です。今後、モビリティやスマートシティの文脈と結びつくことで、さらに存在感を高めていく可能性もあるでしょう。

「駐車場」という切り口から都市の利便性を再設計するランディットの動きは、今後も注目しておきたいところです。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。
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