最終更新日 26/07/23
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株式会社ビットキーとは?スマートロック基盤「homehub」「workhub」で暮らしと働き方を変革

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「家に帰ったら鍵を探してカバンをかき回す」「オフィスの入館証を忘れて受付で足止め」——こうした小さなストレスは、日常のあらゆる場面に潜んでいます。物理的な鍵やIDカードは、私たちの暮らしや働き方の自由度を静かに縛ってきました。

こうした「鍵」や「認証」の不便を根本から解決しようとしているのが、株式会社ビットキー(以下ビットキー)です。独自のID認証・認可基盤「bitkey platform」を軸に、住宅向けの「homehub」、オフィス向けの「workhub」を展開。スマートロックというハードウェアだけでなく、宅配・家事代行・オフィス予約・顔認証入退室など、あらゆるサービスとつなぐ「コネクトプラットフォーム」を構築しています。

本記事では、ビットキーの事業内容や資金調達動向、市場規模について詳しく紹介します。

(引用:公式HP

事業内容①:住まいをアップデートするコネクトプラットフォーム「homehub」

「homehub」は、戸建て・賃貸マンション・分譲マンションなど、あらゆる住まいに対応するコネクトプラットフォームです。デジタルキー機能を中核として、物件ごとに必要な機能を選んで組み合わせられる、拡張性の高いモジュール群で構成されています。

このプラットフォーム最大の意義は、「鍵」という物理的な制約を取り払い、住まいまわりの体験を再設計する点にあります。宅配便やクリーニング、家事代行などのサービスと連携すれば、不在時でも安全かつシームレスに荷物の受け取りやサービス利用が可能に。共働き世帯の増加や物流業界の再配達問題といった社会課題への具体的な解決策として機能します。

差別化のポイントは、単一メーカーに依存しない「開かれた設計思想」です。2026年6月時点で、共用部オートロック向けから専有部ドア向けまで、国内主要鍵メーカーとの共同開発品や自社製品を含む計9機種のスマートロックに対応。マンション、オフィスビル、空港、庁舎、物流施設まで、幅広い場所で使われています。2026年1月には錠前大手のゴール社との賃貸住宅向けスマートロック共同開発も発表され、対応鍵メーカーは4社に拡大する見込みです。

導入事例としては、2022年1月に賃貸管理大手のレオパレス21が採用を決定し、全国44万戸への設置が進行中。ターゲットは、住まいのDXや管理効率化を進めたい不動産事業者・マンション管理会社、そしてより便利で安全な暮らしを求める入居者です。

利用メリットは、物件ごとの個別要望に柔軟に応えつつスピーディに導入できる点、そして導入後もモジュール単位で機能を追加できる拡張性にあります。

(引用:公式HP

事業内容②:オフィスをひとつのIDでつなぐ「workhub」

「workhub」は、オフィスビルやコワーキングスペース、データセンター、店舗、工場など、あらゆるビジネスの現場向けに提供されているコネクトプラットフォームです。ワーカー向けアプリからワークスペース予約、ゲストのアクセスコントロール、会議室の管理までを一元的にこなせます。

このプラットフォームがもたらす価値は、「働く場所の摩擦をなくす」こと。従来、オフィスへの入館、エレベーターの操作、会議室予約、来客対応、勤怠管理は、それぞれ別々のシステムやカードで運用されていました。workhubは、エレベーター・共用部フラッパーゲート・執務室のスマートロック・警備用カメラ・空調設備などのビル設備とソフトウェアを高度に連動させ、これらを一つのIDに統合します。

象徴的なのが、顔認証による入館から会議室予約、ゲスト受付まで、単一IDでシームレスに利用できる点です。2024年11月にはNTT都市開発のオフィスブランド「owns」の全物件に導入が決定し、「owns」は顔認証で全物件を相互利用できる国内初のオフィスビルブランドとなりました。ワーカーは複数拠点をまたいでも認証の手間なく移動でき、企業側は拠点ごとに分断されていた管理業務を一元化できます。

さらに2025年5月には、パナソニックとの協業による統合型ビル入退室管理サービス「eX-SG with workhub」が発売され、大規模オフィスビルを中心に年間100棟規模での導入が見込まれています。

ターゲットは、ハイブリッドワーク時代のオフィスDXを推進したい不動産デベロッパー、ビル管理会社、従業員体験を高めたい企業経営層です。カード発行コストの削減、来客対応の効率化、セキュリティ強化を同時に実現できる点が大きな利用メリットとなっています。

(引用:公式HP

資金調達:累計390億円超、政府系ファンドからも継続的な支援

ビットキーは、政府系ファンドであるJICベンチャー・グロース・インベストメンツ(JIC VGI)が運営する「JICベンチャー・グロース・ファンド2号投資事業有限責任組合」から40億円の追加調達を実施し、累計資金調達額は390億円を超えました。

直近の調達概要

  • 調達額:40億円(追加調達)
  • 調達方法:メザニンファイナンス(融資と出資の中間)を一部活用
  • 調達先:JICベンチャー・グロース・インベストメンツ(JIC VGI)
  • 累計調達額:390億円超

今回の調達では、既存株主の希薄化を抑えつつ資本効率を最適化するために、融資(デット)と出資(エクイティ)の中間に位置する「メザニンファイナンス」を一部活用した点が特徴です。調達資金はプラットフォームのさらなる拡張を目的とした新製品・新サービス開発、およびM&A投資に充当される予定です。

その前段階として、2024年11月にも同じくJIC VGIから資金調達を実施し、その時点で累計調達額は300億円を突破していました。

主要な出資者・融資者

主な出資者・融資者には、三井不動産、阪急阪神不動産、東京建物、森トラストなどの大手不動産企業、ゴールドマン・サックス、三井住友銀行、三井住友信託銀行などの金融機関、加えて大阪ガス、パナソニック、ダイキン工業といった事業会社が名を連ねています。不動産・建設・エネルギー・電機など、住宅とオフィスの両ドメインにまたがる大手企業が支援しており、事業提携と資本関係が一体となった強固なネットワークを形成していることが読み取れます。

M&Aによる非連続な成長も加速中です。2024年7月に入居者管理システム開発のパレットクラウド株式会社を子会社化(2026年に吸収合併予定)、2025年にはソニーネットワークコミュニケーションズのスマートロック事業の一部を譲受しました。

市場規模:拡大が続くスマートロック市場と日本の追い風

グローバル市場の見通し

Mordor Intelligenceの調査によれば、グローバルのスマートロック市場規模は2025年に32億3,000万米ドルと推定され、予測期間(2025〜2030年)のCAGR(年平均成長率)は15.4%2030年には75億2,000万米ドルに達すると見込まれています。別の調査(Fortune Business Insights)では、グローバルのスマートドアロック市場は2026年の42億2,000万ドルから2034年に177億5,000万ドルに成長し、CAGRは19.70%にのぼるとされています。

日本市場の規模と成長率

IMARCグループの最新レポートによると、日本のスマートロック市場規模は2025年に約1億7,396万米ドルに達し、2034年までに3億7,590万米ドルに達する見込みです。2026年から2034年にかけてのCAGRは8.94%と予測されています。日本のスマートホームセグメント全体は2024年に約81億米ドルの規模に達しており、セキュリティおよびアクセス制御が最大の製品シェアを占めています。

成長の追い風と政策動向

日本市場が伸びる背景には、人口の90%以上が都市部に居住するという高い都市密度と、精密かつ信頼性の高い技術への文化的嗜好があります。加えて、国家的な「Society 5.0」イニシアチブや政府の「デジタル田園都市国家構想」により、自治体レベルでもコネクテッドテクノロジーの導入が積極的に推進されており、スマートアクセス制御は政策面でも強い追い風を受けています。

ビットキーのポジション

こうした市場環境の中、ビットキーはApple Home KeyやGoogle Digital Keyのようなデバイスメーカー中心のエコシステムとは異なるアプローチを取っています。スマートロックというハードウェアと、入退室管理や予約システムなどのソフトウェアを連携させ、住宅・オフィスに加え、空港・物流施設・庁舎など幅広い施設に横断的に対応する「施設横断型プラットフォーム」を構築している点が、大きな差別化要因です。日本の大手不動産・建設・電機企業との深い連携も相まって、国内市場において独自の地位を築いています。

会社概要

  • 会社名:株式会社ビットキー
  • 所在地:東京都中央区京橋3丁目1-1 東京スクエアガーデン9階
  • 設立年月日:2018年5月16日
  • 代表者名:代表取締役CEO 寳槻 昌則
  • 公式HPhttps://bitkey.co.jp/

まとめ

株式会社ビットキーは、「つなげよう。人は、もっと自由になれる。」というミッションを掲げ、独自のID認証基盤「bitkey platform」を軸に、住宅向け「homehub」とオフィス向け「workhub」の2つのコネクトプラットフォームを展開しています。スマートロックというハードウェアを起点にしながらも、宅配・家事代行・オフィス予約・顔認証入退室など、あらゆるサービスと施設をつなぐ「施設横断型プラットフォーム」を構築している点が、同社最大の強みです。

累計390億円超の資金調達、大手不動産・金融・電機各社との資本業務提携、M&Aによる事業拡張と、成長ドライバーは複数の軸で機能しています。今後は街全体、そしてスマートシティのインフラを担うプラットフォームへとスケールしていくことが期待されます。鍵や認証をきっかけに、私たちの暮らしと働き方がどこまで自由になっていくのか、ビットキーの動向から目が離せません。

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