最終更新日 26/05/18
国内スタートアップ

株式会社favy|来店データ活用し飲食店の運営を支援

システム開発・サービス食品
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(引用:公式HP

 外食産業はコロナ禍を経て急速に回復しつつある一方、集客手法の多様化やCookie規制によるターゲティング精度の低下など、新たな課題に直面しています。とりわけ飲食店では、広告投資が本当に来店につながっているのかを正確に測定できず、限られた予算の最適配分に苦慮するケースが目立ちます。
 こうした課題に挑むのが、「飲食店が簡単に潰れない世界をつくる」を掲げる株式会社favyです。同社はモバイルオーダーやサブスクリプションなど独自プロダクトを通じ、オンラインとオフラインを融合させたOMOマーケティングを実現。2026年4月には来店データを活用した新広告サービス「favy Ads」を発表し、リテールメディア領域での存在感を一気に高めています。
 本記事では、株式会社favyの事業内容や資金調達動向、市場規模を詳しく紹介します。

事業内容①:来店データで広告効果を可視化する「favy Ads」

 「favy Ads」は、2026年4月のシリーズDセカンドクローズにあわせて発表された新広告商品で、favyが保有する店舗の来店データを活用します。広告主はモバイルオーダー内の広告スペースを購入できるほか、来店客や注文客の匿名ファーストパーティデータをもとに、MetaやGoogleなど外部広告媒体でもターゲット層へ配信可能です。
 最大の特徴は、モバイルオーダーやサブスクシステムが各広告タグと連動し、来店までの情報接触経路や来店単価を算出できる点にあります。従来は推測値でしか把握できなかった来店計測がタグベースで正確に行えるようになり、「来店単価」を指標とした広告改善が可能になりました。Cookie規制が強まる時代において、ファーストパーティデータを軸に据えたこのアプローチには大きな価値があります。

(引用:blog.favy.co.jp


 具体的な活用事例として挙げられるのが、「東京ドームシティ」を運営する東京ドームの取り組みです。2024年に開業したフード&グッズトレーラー全23店舗の集客課題に対し、Suica等の利用データを活用した広告配信サービス『JRE Ads』(favyが代理店として提供)を導入。速報値ベースで、成約単価が他のディスプレイ系媒体と比べ1/2〜1/3程度に改善したと報告されています。

商業施設や複合型店舗を運営する事業者、広告ROIを来店ベースで可視化したい広告主にとって、favy Adsは強力な選択肢となるはずです。

事業内容②:飲食店のためのOMOプラットフォーム

 favyは飲食店向けに、複数のツールを組み合わせたOMOマーケティングを支援しています。提供サービスは多岐にわたり、店舗向けサブスクプラットフォーム「favyサブスク」、モバイルオーダーシステム「favyモバイルオーダー」、無料でWebサイトを作成できる「favyページ」、PR記事掲載・広告運用ができる「グルメメディアfavy」などが揃います。

(引用:PR TIMES

 これらは単なる業務効率化ツールではなく、来店データを蓄積・活用するための基盤として設計されている点が特徴です。WiFiやGPSシグナルをベースにした従来の来店広告ではコンバージョン(CV)数値が正確に算出できない課題に着目し、タグベースで来店CVを計測する仕組みを内製化しました。「OMO analytics」で取得したCVデータとユーザー群データから独自セグメントを作成し、検索エンジン、DSP、SNS上でターゲティング広告やリターゲティングを配信できます。

モバイルオーダーとサブスクリプションを組み合わせれば、会員の来店頻度や嗜好も可視化できます。地域密着型の店舗では、スタッフが入れ替わっても顔馴染みのような接客が実現でき、顧客満足度の向上に直結します。

導入店舗からは、「favy導入後に本店の会員数が過去の2.5倍以上に増加し、売上も伸びた」との報告があります。また、虎ノ門ヒルズ「T-MARKET」の担当者からは「favyの運営を通じて得られたデータや経験を基に、利用者とテナントの満足度をさらに高める進化を期待している」とのコメントも寄せられています。

資金調達:シリーズDセカンドクローズで成長を加速

 favyは2026年4月27日、住友生命保険相互会社が運営するCVCファンド「SUMISEI INNOVATION FUND」、および株式会社アイキューブドベンチャーズが運営する「アイキューブド1号投資事業有限責任組合」を引受先に、シリーズDラウンドのセカンドクローズとなる資金調達を実施。この調達にあわせて、新広告サービス「favy Ads」が発表されました。

(引用:公式HP

直前の2025年11月5日には、既存株主である阪急阪神イノベーションパートナーズ投資事業有限責任組合から、シリーズDラウンドのファーストクローズで追加資金を調達しています。これ以前のシリーズCラウンドでは、博報堂DYベンチャーズなどを引受先とする第三者割当増資、および大和ブルーフィナンシャルからのベンチャーデットによって合計約6億円を調達しています。

投資家から評価されているポイント

 今回のシリーズDセカンドクローズで投資家から高く評価されたのは、「店舗運営・施設運営・ツール等のシステム開発など、現場の運用に根ざしながらも、戦略設計から施策実装まで一貫して支援できる点」、そして「顧客育成の仕組み」です。

過去には、フクシマガリレイとの提携によるRaaS事業推進、フィル・カンパニーとの資本業務提携(駐車場上部の未利用空間における飲食事業の共同開発)、Makuakeとの業務提携など、多様な企業との連携実績も積み上げてきました。今後は調達資金をもとに、リテールメディア領域でのリーディングカンパニーとしての地位をより強固にしていく方針です。

市場規模:拡大する外食産業とリテールメディア市場

外食産業全体の動向

富士経済が発表した外食産業市場規模推計によれば、2025年度の外食産業市場規模は35兆7,116億円と推計され、前年度を上回りました。インバウンド需要の戻り、価格高騰によるメニュー改定などが市場拡大の主要因です。

(引用:富士経済

日本政府観光局が2025年1月に発表したデータでは、2024年12月の訪日外客数は約350万人と単月過去最高を記録。インバウンド需要の拡大により、2025年にかけても市場規模は拡大傾向が続くと予想されます。

マーケティング環境の変化とfavyのポジション

 一方、店舗型ビジネスではECサイトの普及や購買行動の変化により集客手法が多様化し、InstagramやGoogleマップ広告を活用した来店促進が主流となっています。2024年以降に強化されたCookie規制で詳細なユーザー情報の取得が制限され、ターゲティング精度の低下も大きな課題です。

 こうした環境下で注目されているのが、ファーストパーティデータの活用とリテールメディアの台頭です。favyは商業施設や実店舗の来店データを活用できる独自のポジションを持ち、Cookieに依存しない広告配信を実現できる希少な存在として、市場内で大きな成長余地を有しています。

会社概要

  • 会社名:株式会社favy
  • 所在地:東京都新宿区
  • 設立年月日:2015年7月
  • 代表者名:髙梨 巧
  • 公式HPhttps://favy.co.jp/

まとめ

 株式会社favyは、「飲食店が簡単に潰れない世界をつくる」というビジョンのもと、モバイルオーダー、サブスクリプション、そして新たに発表された「favy Ads」を通じ、飲食店経営のデジタル化と広告効果の可視化を推進しています。Cookie規制やインバウンド需要拡大という外部環境の変化に対し、自社で蓄積した来店データを武器に独自のポジションを築いてきました。

 代表の髙梨巧氏は、デジタルマーケティング領域で1000社以上を支援してきた経験を活かし、現場運用と戦略実装の両面から飲食業界の変革に挑んでいます。リテールメディア領域のリーディングカンパニーとして、さらなる飛躍が期待される企業です。

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