最終更新日 26/07/29
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AUTHENTIC JAPAN株式会社|ココヘリで山と海の遭難者を救う安全DX企業

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(引用:公式ホームページ

日本国内で発生する山岳遭難は年間3,000件超。警察庁の統計でも遭難者数は過去最多を更新し続けています。マリンレジャー中の事故も後を絶ちません。広大な山域や海上ではスマートフォンの電波が届かず、発見が遅れて生存率が下がる——この課題は長年指摘されてきました。

独自の発信機技術とヘリ・ドローンを組み合わせた民間捜索サービスココヘリ」を提供するのが、AUTHENTIC JAPAN株式会社です。登山者やマリンスポーツ愛好者の”命を守る”インフラを構築するだけでなく、自治体と連携した「安全DX」の取り組みも加速させています。

本記事では、AUTHENTIC JAPAN株式会社の事業内容や資金調達動向、市場規模について詳しく紹介します。

事業内容

①民間ヘリ捜索サービス「ココヘリ」

「ココヘリ」は、日本で唯一ヘリコプターを使って山岳遭難者を捜索できる会員制サービスです。会員に貸与される小型の発信機(ビーコン)が発する電波を、ヘリやドローンに搭載した専用受信機がキャッチし、遭難者の位置を0メートル単位で特定できます。
スマートフォンが圏外となる山域でも、発信機とヘリの「直接通信」で捜索を実現できる——これが最大の特徴です。

(引用:公式ホームページ

専用アンテナを用いれば最長16キロメートル先の電波も捉えられ、積雪時の遭難でも発見が可能です。従来の目視捜索と比べて発見までの時間を大幅に短縮できるため、怪我の悪化や低体温症のリスク軽減にもつながります。

全国39都道府県の警察・消防航空隊が専用受信機を導入済みで、沖縄・島嶼部を除くほぼ全国の山域をカバー。会員数は17万人を超え、業界最大規模となりました。発信機携行かつ登山届のある事案では、遭難者の発見率は96%という高水準を記録しています。

サービスは既存の山岳保険とは役割が異なります。山岳保険が「救助にかかった費用を補償する」ものであるのに対し、ココヘリは「実際に遭難者を発見して生存率を高める」捜索サービス。この本質的な違いこそ、登山者から強い支持を得ている理由です。

新プランとして、ソニーのIoTネットワーク「ELTRES」を利用した「GPS+プラン」も展開。GPSでエリアを特定した後に発信機の直接通信で捜索する二段構えの仕組みで、2024年の受付では限定1,000台がわずか1時間で完売しました。スタンダードプランには個人賠償責任制度やアウトドア用品補償も付帯し、コストパフォーマンスにも優れています。

②マリンスポーツ向け「ココヘリマリン」と観光地の安全DX

(引用:公式ホームページ

海上での遭難対策として展開されているのが「ココヘリマリン」です。GPS履歴をソニーのIoTネットワーク「ELTRES」で送信し、通信圏内であれば家族や捜索機関が3分おきに位置情報を確認できます。専用受信機を搭載した民間ヘリによる捜索フライトが年3回まで無料で利用可能。発信機の質量はわずか45グラム、年会費は13,200円と手軽です。

海上保安庁第七管区・福岡県漁連との3者協定を全国で初めて締結するなど、公的機関との連携でも先進的な実績を持ちます。釣り、ヨット、SUPなど、多様なマリンレジャー愛好者にとって、命を守る現実的な選択肢となっています。

近年は自治体と連携した「安全DX」の推進にも力を入れています。北海道斜里町では2026年4月20日より、知床自然センターや道の駅しゃりなど4拠点で、来訪者へのココヘリ発信機の無料貸与を開始しました。ヒグマ対策スプレーの貸出と一体的に運用することで、観光客が自然のリスクに備えられる仕組みを整えています。

この取り組みは総務省の「地域社会DX推進パッケージ事業」の一環で、LPWA通信網を活用して知床半島の主要観光エリアの安全を強化するプロジェクトです。奈良県警察との協定では、会員が遭難した際に登山計画情報をリアルタイム共有する仕組みも実現。群馬県川場スキー場では冬山登山者へのココヘリ携行を義務化するなど、公民連携のモデルが広がっています。

資金調達:シリーズ調達と大型M&Aで急成長

AUTHENTIC JAPAN株式会社は、ここ数年で複数回の資金調達を実施し、事業基盤を大きく拡大してきました。

2021年3月には、UNICORNファンド、西日本新聞社、NCBベンチャー投資事業有限責任組合を引受先とした第三者割当増資により1億5,000万円を調達。日本政策金融公庫からの借入7,000万円を合わせ、総額2億2,000万円を確保しました。
同年12月には、九州広域復興支援ファンドおよび個人投資家を引受先とする第三者割当増資により、追加で4億3,500万円を調達。これらの資金はサービス基盤の強化、発信機の開発、会員拡大のためのマーケティング投資に充てられました。
2022年7月には、業界最大規模の山岳遭難対策制度を運営していたjRO(日本山岳救助機構合同会社)のM&Aを発表。会員数10万人規模のjROを取り込むことで、「捜索から救助まで山の安全をワンストップで提供できる体制」を確立しました。

こうした資金調達とM&A戦略により、会員数はサービス開始時の391人から、2019年に1万人、2023年に5万人、2024年には17万人へと飛躍的に拡大しています。

2026年3月にはKDDIとの提携による「ココヘリSOSダイレクト」の提供合意も発表され、通信大手との協業による新たな展開も進行中。代表の久我一総氏は上場にも意欲を示しており、資本市場からの資金調達も見据えた成長戦略が描かれています。

市場規模:拡大する登山・アウトドア市場と安全ニーズ

国内登山人口とアウトドア市場

(引用:矢野経済研究所

日本の登山人口は、2022年時点で約500万人と推計されています。近年はソロキャンプやトレッキングブームを背景に、初心者や中高年の登山者が増加。山岳遭難件数も過去最多を更新し続けており、警察庁の統計では2023年に3,568件、遭難者数は3,568人を超えました。

一般社団法人日本アウトドア産業協会の調査によれば、国内アウトドア用品市場は約5000億円規模で推移しており、コロナ禍以降のアウトドア需要の高まりが継続。この市場拡大は、そのまま「安全対策サービス」への潜在需要拡大にも直結しています。

世界のアウトドア・セーフティ市場

世界的にみても、アウトドアセーフティ機器市場は成長を続けています。市場調査会社の予測では、GPSトラッカーや衛星通信機器を含む位置追跡デバイス市場は年平均成長率(CAGR)約8〜10%で拡大するとされ、2030年には数百億ドル規模に達する見込みです。

ココヘリの市場ポジション

日本の登山人口500万人に対して、ココヘリの会員数17万人は市場浸透率にして約3〜4%。業界最大規模とはいえ、成長余地は依然として大きいと言えます。今後はマリン領域、キッズ・ペット向け領域、観光地の安全DX領域への横展開により、TAM(想定市場規模)はさらに広がると予想されます。

au Starlink Directなど衛星通信サービスの台頭という新たな競合要素はあるものの、「圏外でも発見できる」というココヘリ独自の技術優位は当面揺るがないと評価されています。

会社概要

  • 会社名:AUTHENTIC JAPAN株式会社
  • 所在地:〒810-0042 福岡県福岡市中央区赤坂1-6-15-4F
  • 設立年月日:2011年12月
  • 代表者名:代表取締役 久我 一総
  • 公式HPhttps://www.authjapan.com/

まとめ

AUTHENTIC JAPAN株式会社は、代表・久我一総氏の「大切な人の居場所を一刻も早く知りたい」という原体験から生まれた発信機技術を土台に、山岳遭難という難易度の高い領域でココヘリを確立してきました。今や会員17万人、発見率96%という圧倒的な実績を誇り、jROのM&AやKDDIとの提携を通じてサービス領域を拡大し続けています。

自治体と連携した知床の安全DX、奈良県警察との情報共有、川場スキー場での携行義務化——公民連携のモデルケースを次々と生み出している点も注目すべきポイントです。山だけでなく、海・街・子ども・ペットへと領域を広げる同社の姿勢は、「命を守るインフラ」を社会に実装する挑戦そのものと言えるでしょう。

登山ブームやアウトドア需要の高まりが続くなか、安全対策の重要性は増す一方。AUTHENTIC JAPANが描く未来は、私たち一人ひとりの「安心して自然を楽しむ暮らし」に直結しています。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。AUTHENTIC JAPAN株式会社のように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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