最終更新日 26/07/04
国内スタートアップ

株式会社Smart相談室|AIが最適なカウンセラーを推薦する社外相談窓口サービス

AIHRヘルスケアメンタルヘルス
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(引用:公式ホームページ

働く人の多くは、職場の人間関係やキャリア、心身の不調といった「モヤモヤ」を抱えながら日々を過ごしています。厚生労働省によるストレスチェック義務化以降、企業はメンタルヘルス対策を強化してきましたが、「社内には相談しづらい」「制度はあっても使われない」という声は依然として根強いのが現実です。
この課題に対し、社外相談窓口というかたちで従業員の心理的安全性を確保し、不調の未然防止を実現しているのが株式会社Smart相談室。同社はAIを活用した最新機能の導入により、相談文化そのものを日本に根づかせようとしています。

本記事では、株式会社Smart相談室の事業内容や資金調達動向、市場規模などを詳しく紹介します。

事業内容:オンライン対人支援プラットフォーム「Smart相談室」

(引用:公式ホームページ

株式会社Smart相談室が提供する「Smart相談室」は、「なんでも相談していい」をコンセプトに掲げた、企業向けのオンライン対人支援プラットフォームです。法人契約をした企業の従業員は、カウンセラーやコーチに対しいつでも気軽にオンラインで相談できます。

サービスの大きな特徴は、相談範囲の広さにあります。一般的なメンタルヘルス相談に加え、医師相談、ストレスチェック、ハラスメント窓口といった法令対応領域、さらにはコーチングや個別研修など人材開発に資する領域まで、一気通貫でカバー。在籍する専門家は250名以上にのぼり、臨床心理士やキャリアコンサルタント、プロコーチなど多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナルが揃っており、利用者は自分の悩みに合った相談相手を選べます。

相談手段はオンラインミーティング、電話、テキストから自由に選択可能で、スマホとPCのどちらにも対応。シンプルで直感的なUIを採用し、カウンセリングへの心理的ハードルを大きく下げました。相談内容が会社に共有されない設計のため、ハラスメント被害を受けた従業員が匿名で安心して相談できる窓口としても機能しています。

2026年6月23日には、新機能「AIコンシェルジュ」の提供が始まりました。これはAIがカウンセリングそのものを代替するのではなく、ユーザーが抱える漠然とした「モヤモヤ」をチャットを通じて整理・言語化し、最適なカウンセラーやコーチへとつなぐ機能です。対話を重ねるなかでユーザー自身の思考が自然と整理され、AIが推薦する専門家のセッション予約までシームレスに完結します。カウンセラー側も自身の得意領域に合致した相談を受けやすくなるため、対人支援の質そのものの向上にもつながると期待されています。

導入対象は従業員数8名から1,900名以上まで幅広く、IT、医療・福祉、小売、コンサルティングなど多様な業界で採用されています。退職・休職の一次予防策として、また人的資本経営を後押しする仕組みとして、企業にとっての費用対効果は非常に高い水準にあります。

資金調達:SmartHRグループとしての成長戦略

株式会社Smart相談室について、独立した外部資金調達ラウンドの具体的な金額やシリーズ情報は公開されていません。ただし同社は、人事労務クラウドサービスで国内トップシェアを誇るSmartHRのグループ会社として位置づけられており、強固なプラットフォームと顧客基盤を背景に急成長を遂げています。

代表取締役CEOの藤田康男氏は、エムスリーキャリア株式会社で10年間にわたり新規事業開発と組織マネジメントに従事した経験を持ち、2021年2月にSmart相談室を設立しました。藤田氏自身、マネジメントの現場で離職率の上昇やビジョン浸透に苦しんだ経験があり、組織状態が悪化するなかでメンバーがストレスを抱え不調に至る現実を目の当たりにしました。「メンタル不調に陥る前の段階で何かサポートできないか」——この問題意識が起業の原体験になっています。

設立から4年が経過した2025年秋時点で、累計導入企業数は800社以上、累計ユーザー数は18万人を突破。累計相談数は3万件を超え、登録カウンセラー・コーチは300名以上に拡大しています。社員数も創業時の1名から、2026年3月時点で51名へと急拡大しました。

導入企業はサツドラホールディングス、日鉄環境エネルギーサービス、SCREENグラフィックソリューションズ、トラストバンク、バンダイナムコピクチャーズなど業種・業界を問わず広がっています。SmartHRとのSSO連携や従業員情報の自動同期といったシステム連携を強みに、今後さらに導入企業数を伸ばす方針です。2025年には「HRアワード2025」プロフェッショナル部門【組織変革・開発部門】で最優秀賞を受賞しており、業界における品質も高く評価されています。

(引用:公式ホームページ

市場規模:拡大を続けるメンタルヘルス・EAP市場

日本のメンタルヘルス市場は2034年に376億ドル規模へ

(引用:imarc

IMARC Groupの調査によれば、日本のメンタルヘルス市場規模は2025年時点で約275億米ドルと評価されており、2034年までに約376億米ドルに達する見通しです。2026年から2034年にかけてのCAGR(年平均成長率)は3.60%と予測されており、世界市場の成長率2.76%を上回る水準。これまで潜在的だった需要が、社会の変化や意識向上によって顕在化する「キャッチアップ成長」の段階にあると分析されています。

EAP市場拡大を後押しする社会的要因

EAP(従業員支援プログラム)およびストレスチェックサービスの市場は、2015年の厚生労働省によるストレスチェック義務化を契機に拡大が続いてきました。直近では単なる法令対応にとどまらず、離職防止や生産性向上、人的資本経営の観点から積極投資を行う企業が増加。AIやデータ駆動型技術の統合により、診断の効率化や個別最適化された支援が可能になったことも、市場成長を加速させる重要な要因となっています。

Smart相談室のポジションと今後の可能性

Smart相談室の2025年相談実績レポートによれば、累計相談は3万件を超え、特に2025年の相談の半数以上(53.0%)がコーチング・ティーチングに関するものでした。人的資本経営の潮流のなかで、人材育成・開発ニーズが急増していることを示す数字といえます。同社は「AIコンシェルジュ」の進化を通じてマッチング精度をさらに高め、一人ひとりに最適化された支援体験を提供していく方針。拡大市場のなかで独自のポジションを築いている同社の成長余地は、極めて大きいといえるでしょう。

会社概要

  • 会社名:株式会社Smart相談室
  • 所在地:東京都港区六本木3-2-1住友不動産六本木グランドタワー
  • 設立年月日:2021年2月
  • 代表者名:藤田 康男(代表取締役CEO)
  • 公式HPhttps://smart-sou.co.jp/

まとめ

株式会社Smart相談室は、「働く人のモヤモヤを解消し、個人の成長と組織の成長を一致させる」というミッションのもと、社外相談窓口サービスとオンライン対人支援プラットフォームを展開しています。250名以上の専門家、800社を超える導入企業、そして新機能「AIコンシェルジュ」によるマッチング精度の向上を武器に、メンタルヘルス領域での存在感を急速に高めてきました。

代表の藤田氏が掲げる「日本に相談文化を根づかせたい」という想いは、人的資本経営や健康経営が経営課題の中心になりつつある現在、多くの企業と従業員にとって希望となる視点です。AIと人の専門性を融合させた同社の取り組みが、今後の働く環境をどのように変えていくのか、引き続き注目したい企業のひとつです。

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