
ネット上に情報が溢れる一方で、「信頼できる知識」に素早くたどり着くのは意外と難しいものです。特にビジネスの現場では、SNSや検索エンジンの断片的な情報ではなく、書籍に体系化された深い知見を活用したい場面が数多くあります。ところが、必要な情報を書籍から探し出すには膨大な時間がかかるのが実情です。
この課題に対し、生成AIで書籍の知識を対話形式で引き出せるサービス「Bookleverage(ブックレバレッジ)」を提供するのが、Qureka株式会社です。出版社との正式ライセンス契約に基づく信頼性の高いデータを基盤に据え、読書体験の革新と法人向けナレッジ活用の両輪で急成長を遂げています。
本記事では、Qureka株式会社の事業内容や資金調達動向、市場の規模等について詳しく紹介します。
事業内容:生成AIを活用した書籍知識Q&Aサービス「Bookleverage」
Qureka株式会社が展開する「Bookleverage」は、ビジネス書や専門書などの正規書籍データを基に、生成AIがユーザーの質問へ即座に検索・要約・回答を行う書籍知識Q&Aサービスです。
2026年4月24日に正式リリースされ、サービス開始時点では59タイトルを用意。書籍ごとに料金を支払い、6カ月間AIによる回答機能を利用できる仕組みを採用しています。

「読む・調べる・考える」を圧縮する体験価値
Bookleverageの魅力は大きく3つあります。第一に、書籍の要約機能で全体像を短時間で把握でき、知りたいポイントを質問すればAIがその書籍を根拠に即答してくれる点。第二に、書籍という「閉じた」信頼性の高い情報源に限定して回答するため、専門性・具体性・一貫性のある出典付きの答えが得られます。第三に、得られた回答をそのまま思考整理や企画書のドラフトへ転用できるため、インプットからアウトプットまでの流れが大幅に加速します。
出版業界との共存を実現する独自設計
一般的な検索エンジンや汎用AIチャットとの最大の違いは、出版社と正式に著作権ライセンス契約を締結した書籍データのみを扱う点にあります。AIモデルの学習には書籍データを使用せず、回答時にも全文出力を制限することで、書籍そのものの価値を損なわない設計です。加えて収益の一部を出版社へ還元する仕組みも整えており、出版エコシステムとの共存型モデルを構築しています。
個人から法人まで幅広いターゲット
想定ユーザーは、効率的にビジネス知識をインプットしたい個人ビジネスパーソンから、社内ナレッジ活用や研修DX、教育領域での活用を検討する法人まで多岐にわたります。すでにNTTドコモの社内読書施策「本読みプロジェクト」との連携実証も実施されており、法人向けの手応えを着実に得ている状況です。

資金調達:シードラウンドで累計1億円を確保
Qureka株式会社は、設立からわずか1年余りで大型の資金調達を実現しています。
直近の調達概要
- 日付:2026年6月24日
- 調達額:1億円(累計)
- 調達方法:シードラウンド
- 調達先:ON&BOARD(リードインベスター)、クレストスキルパートナーズ、mint
2026年4月には、同じくON&BOARDをリード投資家とするプレシードラウンドで約4,000万円を先行して調達しており、シードラウンドは段階的に実施されてきました。現在の資本金は資本準備金を含めて1億100万円です。

資金の使途
調達した資金は、プロダクト開発体制の強化、書籍コンテンツの拡充、法人向けナレッジ活用ソリューションの高度化に充てられる予定です。読書体験の革新と「知の業務活用」の社会実装を加速させる狙いがあります。
創業者の実行力に対する高い評価
代表取締役社長CEOの間舘祐太氏は、新潟大学大学院を修了後、2013年から約9年間NTTドコモで新規事業開発・サービス企画を担当。
その後の企業経験を経て、2025年5月にQureka株式会社を設立しました。ON&BOARDは出資判断のポイントとして、権利者保護と出版社への収益還元を組み合わせた「業界との共存型ビジネスモデル」、および大手企業向け展開や出版社との連携交渉における創業チームの実行力を高く評価しています。
Qurekaは、ON&BOARDが運営するスタートアップ支援プログラム「Out Of BOUNDS」にも参画。2026年5月開催の第4期DemoDayでは準優勝を果たし、伴走支援を受けながら事業を成長させています。
市場規模:急拡大する生成AI市場と書籍知識活用の可能性
Bookleverageが属する生成AI市場は、世界規模で爆発的な成長を続けています。
世界の生成AI市場は年成長率40%超
各種調査機関の予測によれば、世界の生成AI市場規模は2025年時点で約361億ドル、2033年には約3,561億ドルに達する見通しです。この数値はAI市場全体の43.1%を占めることになります。

アプリケーション・エージェント層に成長機会
2026年から2029年にかけては、汎用モデルではなくアプリケーション層・エージェント層が急拡大し、特に「業種特化型エージェント」が新たな成長領域となる見込みです。自社ドメインに深いユースケースと独自データを持てるかどうかが、企業の競争力を左右する分岐点になるとされています。
Bookleverageの市場ポジション
Bookleverageはまさに、書籍という信頼性の高い独自データを活用した「特化型AIサービス」であり、この成長トレンドの中核に位置しています。書籍・知識特化型Q&Aサービスの市場規模データはまだ独立して集計されていないものの、法人向けナレッジマネジメントや研修DXとの融合が進めば、今後大きな市場として立ち上がる可能性の高い領域です。
会社概要
- 会社名:Qureka株式会社
- 所在地:東京都(詳細は公式HPを参照)
- 設立年月日:2025年5月27日
- 代表者名:間舘 祐太(代表取締役社長/CEO)
- 公式HP URL:https://www.qureka.jp/
まとめ
Qureka株式会社は、生成AIと書籍知識を融合させた「Bookleverage」を通じて、読書体験のあり方そのものを再定義しようとしています。出版社との共存を前提とした権利者保護型モデル、法人ナレッジ活用への展開、そしてNTTドコモとの実証連携など、事業設計の一貫性と実行力は非常に高い水準です。
生成AI市場が年40%を超える成長を続けるなか、書籍という信頼性の高い知識資産をビジネスに転用する同社のアプローチは、個人の学びから法人の研修DXまで、幅広いシーンで存在感を増していくはずです。1億円のシードラウンドを完了したQurekaが、これからどのように「知の業務活用」を社会実装していくのか、今後の展開に大きな期待が寄せられます。
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