
2020年に小学校で必修化されたプログラミング教育。ところが現場では「教える人材が足りない」「専門的な指導が難しい」といった声が全国から上がっています。デジタル社会の担い手を育てるには、学校任せにせず地域や民間の力を組み込んだ仕組みが欠かせません。
こうした課題に真正面から取り組んでいるのが、自治体と連携して質の高いプログラミング教育を全国の小学校に届けているREDEE株式会社です。同社は日本最大級のデジタル教育施設運営で培ったノウハウを土台に、公民連携型の教育プロデュース事業を広げています。
本記事ではREDEE株式会社の事業内容、資金調達動向、市場規模について詳しく紹介します。
事業内容:小学校向けプログラミング教育体験事業

REDEE株式会社は自治体からの委託を受け、市内小学校を巡回してプログラミング教育の体験授業を提供しています。本社は京都府京都市。代表取締役社長・密山裕貴氏のもと、公民連携を軸とした教育プロデュース企業として全国の教育現場を支えています。
授業内容:ScratchやMinecraftを活用した体験学習
授業ではビジュアルプログラミングツール「Scratch」によるゲーム制作や、世界的に人気のゲーム「マインクラフト」を使ったプログラミング学習を行っています。「プログラミングとは何か」という基本から解説し、遊びで終わらせず論理的思考や創造力を育てる点が特徴です。
講師は児童一人ひとりの席を回り、つまずいた箇所を丁寧にサポート。理解が早い児童には追加課題を出すなど、個々のレベルに合わせたきめ細かな指導を実践しています。
差別化ポイント:3年間の継続支援と地域密着型アプローチ
単発の出張授業で終わらず、3年間継続して市内の小学校をサポートする点も同事業の大きな強みです。学びの機会を継続的に届けることで、児童が自然にデジタル技術に親しみ、着実にスキルを積み上げていける環境を整えています。
REDEEが掲げるコンセプトは「サードプレイスの創造」と「エデュテインメントの共創」。直営店舗事業・公民連携推進事業・クライアントワーク事業の3本柱で、法人・自治体・民間企業に横断的なソリューションを届けています。地域格差を埋めるため、施設導入のコンサルティングから企画書作成、コンテンツ設計、機材選定、人材派遣、スタッフ育成、補助金活用サポートまでワンストップで対応する体制を整備しました。
インテルとの共同開発による「インテルPCマイスター」講座やリスキリング講座の企画運営など、企業・行政との共同プログラムにも力を入れています。
会社について:全国自治体との連携が広がる成長フェーズ
REDEE株式会社は未上場企業で、現時点で公開情報上、外部からの大型エクイティファイナンス(株式による資金調達)は確認されていません。とはいえ、自治体との連携事業を通じて事業基盤を着実に広げている点は見逃せません。
代表・密山裕貴氏の経歴と創業の背景
代表取締役社長の密山裕貴氏は立命館大学出身。学生時代には陸上競技でU18日本選手権や国体に出場した経歴を持ちます。競技と並行してプログラミングに没頭し、個人事業主として中国でWeb開発業務も経験。日本最大級の学生カフェ「HYGGER」の運営や株式会社NextKeymanの開発事業部責任者を歴任し、2019年に株式会社Rubik’sを創業しました。
日本最大級のデジタル教育施設「REDEE」の運営やSTEAM教育事業のカリキュラムディレクターを経て、2023年5月にREDEE株式会社を設立。2024年5月には一般社団法人公民連携推進機構の理事にも就任し、公民連携分野で存在感を高めています。
全国自治体への導入実績
REDEE株式会社は2023年7月、NEXT GROUPのグループ会社として新たに発足。既存の大阪吹田施設を閉鎖し、全国展開を見据えた3事業に注力する体制へと大きく舵を切りました。
2026年度からは滋賀県東近江市の全小学校22校を対象とした3年間の巡回事業、大阪府八尾市の小中学校向けプログラミング教育体験事業がスタートします。導入自治体は北海道室蘭市、山形県山形市、千葉県松戸市、愛知県名古屋市、奈良県宇陀市、兵庫県神戸市、愛媛県、福岡県北九州市、沖縄県名護市など全国に広がり、実績を着実に積み重ねています。
市場規模:拡大が続く子ども向け情報教育市場

国内市場:7年連続で成長を続ける子ども向け情報教育
2025年の子ども向け情報教育市場規模は352億円に達し、前年比138.7%と7年連続で成長を記録しました。背景には、2020年から段階的に進められてきた小・中・高等学校での情報教育の必修化があります。
学校の基礎学習だけでは物足りないと感じる保護者を中心に、より実践的な学習環境を求める声が強まり、民間教育サービスへの関心も高まっています。2025年度から大学入学共通テストに新設された「情報」科目も追い風となり、プログラミング教育市場全体が活況を呈しています。
EdTech市場:CAGR19%超の高成長分野
日本のEdTech(教育×テクノロジー)市場規模は、2025年に177億6,600万米ドル、2034年には854億990万米ドルまで拡大する見込みです。2026年から2034年の年平均成長率(CAGR)は19.06%と予測されており、教育分野のデジタル化は今後さらに加速していきます。
IT人材不足と「サードプレイス」への期待
経済産業省の発表によれば、日本のIT人材は2030年に最大79万人不足すると見込まれています。同省の「未来人材ビジョン」では、この課題を解決するには学校の外で多様な才能を開花させる「サードプレイス」を広げるべきだと提言されました。
REDEE株式会社はまさにこの「サードプレイス」を体現する存在として、自治体・家庭の双方から評価を集め、市場拡大の波に乗る成長ポジションを築いています。
会社概要
- 会社名:REDEE株式会社
- 所在地:京都府京都市下京区
- 設立年月日:2023年7月1日(法人設立)
- 代表者名:代表取締役社長 密山 裕貴
- 公式HP:https://gaming.redee.co.jp/
まとめ
REDEE株式会社は、自治体との公民連携を軸に全国の小学校へ質の高いプログラミング教育体験を届けるスタートアップです。ScratchやMinecraftを活用した実践的なカリキュラム、3年間の継続的なサポート、地域密着型のアプローチによって、教育現場が抱える「指導者不足」「地域格差」を根本から解決しようとしています。
情報教育の裾野が広がる一方で、学習効果を高めるには学校・家庭・地域が連携した「サードプレイス」の存在が欠かせません。REDEEが全国自治体と築くパートナーシップは、日本のデジタル人材育成における新たなロールモデルになる可能性を秘めています。全国展開の広がりと、次世代を担う子どもたちの成長にどう影響を与えていくのか、引き続き注目したい企業です。
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