
都市部の渋滞や近距離移動によるCO2排出が、社会課題として浮上しています。平日の自動車移動の約7割が「1人乗り」、しかも約6割が「5km圏内」というデータもあり、近距離移動を電動モビリティへ切り替えるだけで、環境負荷とコスト負担を大きく減らせる余地があります。
この課題に挑むのが、免許不要で乗れる電動モビリティを開発する株式会社Cross-Border Culturesです。
貿易事業で築いた事業基盤を活かして次世代スモールモビリティ事業へ参入し、2026年5月には自社初の特定小型原動機付自転車「LIBEROTA E-LIBER 01」を発売、注目を集めています。
本記事では、株式会社Cross-Border Culturesの事業内容や資金調達動向、市場規模などを詳しく紹介します。
事業内容:免許不要の電動モビリティ「LIBEROTA E-LIBER 01」

16歳以上なら免許不要、ペダルなしで走れる新しい移動手段
「LIBEROTA E-LIBER 01」は、16歳以上であれば免許不要で公道を走行できる特例特定小型原動機付自転車。
ペダルをこぐ必要はなく、アクセル操作だけで進めるため、自転車に近い手軽さと電動バイクの快適さを兼ね備えます。国土交通省の性能等確認制度に適合しており、街中でも安心して走行できる設計です。
フルサスペンション搭載による圧倒的な乗り心地
本製品の最大の特徴は、フルサスペンション+サドルサスペンションの三点搭載です。路面からの振動を約52%カットし、長時間の移動でも疲れにくい乗り心地を実現しました。タイヤサイズも16インチと大きく、12〜14インチが主流の一般的な特定小型原付に比べ、段差や凹凸への耐性が高い点も強みです。2026年4月から導入される自転車の青切符制度を背景に、自転車道を安全に走れるモビリティへの関心が高まっており、その需要にも応える設計と言えます。
コストパフォーマンスと利便性
1回の充電にかかる電気代は約10円で、走行距離は約40km。ガソリン車や公共交通機関と比べても圧倒的に経済的です。折りたたみ機能も備え、室内や車内にコンパクトに収納可能。オートクルーズ機能やイグニッションキーによる歩道・車道モードの切替も搭載し、ユーザーの操作負担を抑えました。
想定ユーザーと販売状況
通勤・通学で近距離移動が多い社会人や学生、買い物の足を探すシニア層など、幅広い層に向く製品です。販売価格は169,400円で、公式サイトと全国48の取扱店舗にて販売中。マットブラックとオリーブグリーンの初回ロットはすでに完売しており、市場の反応の高さがうかがえます。
資金調達:Makuakeで応援総額1,000万円突破
クラウドファンディングで市場検証と先行販売
株式会社Cross-Border Culturesは、外部のベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの資金調達実績を公開していません。製品ローンチに際してはクラウドファンディングプラットフォーム「Makuake」を活用し、市場検証と先行販売を実施しました。
【クラウドファンディング詳細】
- プロジェクト開始日:2025年9月25日
- プロジェクト終了日:2025年12月23日
- 調達方法:応援購入型クラウドファンディング(Makuake)
- 応援総額:1,000万円突破
この成功は、製品コンセプトと品質に対するユーザーの期待値の高さを示しています。
自己資本で次世代モビリティ事業を推進
同社は2019年の設立以来、貿易事業で着実に成長を遂げ、2023年には年商2.5億円を達成。
この安定した事業基盤を背景に、自己資本で次世代スモールモビリティ事業へ投資しています。

創業者兼CEOの鶴海雅之氏は、食品輸入会社で20年間勤務した経験を持ち、海外で日本製品の需要の強さを肌で感じたことから2019年に同社を設立。輸出ビジネスをグローバルに展開しながら、近年は移動手段の電動化という社会課題に目を向け、E-LIBER 01の開発に踏み切りました。約20回の試作と耐久試験を経て製品化に至った点からも、貿易企業の枠を超えた本格的なものづくりへの姿勢が読み取れます。
市場規模:急成長する日本の電動モビリティ市場
国内市場は10年で約10倍へ

日本の電動モビリティ市場は、極めて高い成長率で拡大しています。IMARCグループの調査によれば、国内市場規模は2025年に約49.3億ドル、2034年には約445.6億ドルに到達すると予測されており、年平均成長率は27.71%に達する見込み。10年で約10倍の規模に膨らむ計算であり、世界的にも稀有な成長スピードです。
世界市場の動向
グローバル市場では、2024年時点で約4,001億ドルの規模があり、2025年から2033年にかけて年平均成長率は21.5%で拡大すると予測されています。脱炭素化の流れ、政府によるEV普及インセンティブ、消費者の環境意識の高まりが、市場拡大を後押ししている形です。
LIBEROTA E-LIBER 01のポジショニング
特定小型原動機付自転車のカテゴリーは、2023年7月の道路交通法改正以降、急速に注目を集めている分野です。既存の人気モデルは小径タイヤ(12〜14インチ)のキックボードタイプが中心で、乗り心地や走行安定性に課題がありました。E-LIBER 01は16インチタイヤとフルサスペンションを採用し、自転車からの自然な乗り換えを促す設計を実現。約17万円という価格帯も競合製品と比べて導入しやすく、独自ポジションを築ける可能性があります。
会社概要
- 会社名:株式会社Cross-Border Cultures
- 所在地:兵庫県西宮市南昭和町
- 設立年月日:2019年1月(創業:2018年4月)
- 代表者名:鶴海 雅之
- 公式HP:https://www.c-b-cultures.com/
まとめ
株式会社Cross-Border Culturesは、貿易事業で培ったグローバル感覚と事業基盤を活かし、次世代スモールモビリティ市場へ参入した注目企業です。同社初の特定小型原付「LIBEROTA E-LIBER 01」は、免許不要・ペダル不要という手軽さに加え、フルサスペンション搭載という独自の強みで差別化に成功。Makuakeでの応援総額1,000万円突破や一部カラーの初回完売など、市場の高い期待が数字にも表れています。
電動モビリティ市場が今後10年で10倍に拡大すると予測されるなか、近距離移動の選択肢を変える同社の挑戦は、都市の渋滞緩和やCO2削減にも貢献し得る社会的意義を持っています。今後の海外展開や新モデル開発にも注目したいところです。
New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。株式会社Cross-Border Culturesのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もぜひご覧ください。
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