
グローバル化が加速する一方、日本の教育現場では「英語が話せる人材」「海外で活躍できる人材」の育成が長年の課題です。加えて円安で留学費用が高騰し、海外で学ぶハードルは以前にも増して高くなっています。こうした状況下で、50年近く教育事業を手がけながら、海外留学支援やグローバル人材育成を推進しているのがZenken株式会社です。同社はEF Education First(EF)をはじめとする世界的な教育機関のネットワークを活用し、日本人学生や社会人が国際的なチャンスをつかむための支援を続けてきました。
本記事では、Zenken株式会社の事業内容や資金調達動向、市場の規模等について詳しく紹介します。
事業内容①:語学教育・法人向け研修事業
Zenken株式会社は、1975年の創業以来、教育事業を柱に成長してきました。前身のワールドミネル株式会社時代から「生涯教育文化事業」を掲げ、子ども英会話「ワールド学院」を全国展開してきた歴史があります。この教育ノウハウを活かした語学研修事業は、現在も同社の中核サービスの一つです。

主軸は法人向けの語学研修プログラム。日本を代表する大手企業をはじめ1,700社以上への研修実績を持ちます。TOEIC対策からビジネス英会話、海外赴任前研修まで、企業ごとの人材育成方針に沿ったカスタマイズが可能です。
近年の日本企業は、海外市場開拓や外国人材の受け入れに伴い、社員の語学力向上が急務となっています。ところが、市販の教材や一般的なスクールでは業務に直結するスキルが身につきにくいという課題がありました。Zenkenの語学研修は、企業の業種・業務内容に合わせたカリキュラムを組み立てることで、実務で使える語学力の習得を後押しします。
差別化ポイントは、50年近い教育事業の実績と、大手企業への導入経験に裏付けられた信頼性。受講生の学習履歴や成果を可視化する仕組みも整えており、企業側は投資対効果を確認しながら人材育成を進められます。グローバル展開を目指す中堅・大手企業、海外拠点を持つメーカー、外国人顧客対応が必要なサービス業などにとって、心強いパートナーとなるでしょう。
事業内容②:海外留学支援・グローバル教育事業

Zenken株式会社は、グループ関連法人である一般財団法人 海外留学推進協会と連携し、海外留学支援事業にも注力しています。同協会は、EF Education Firstの語学学校をはじめ、500以上の海外大学・語学学校への留学斡旋を行っており、Zenkenのグローバル教育戦略を支える重要な役割を担っています。
サービスの特徴は、留学相談から願書準備、学生寮やホームステイの手配、ビザ取得サポートまで、すべてを無料で提供している点。留学希望者にとって手続きの煩雑さや情報不足は大きな障壁ですが、ワンストップ支援によって不安を解消できる仕組みが整えられています。
関連するグローバルスタディ海外留学センターでは、アメリカのコミュニティカレッジ等への留学に際し、「授業料・食費・寮費の50%以上を卒業まで支給、返済不要」の奨学金制度も案内しています。円安で留学費用が高騰する現在、経済的な理由で海外進学を断念せざるを得ない学生にとっては、大きな支援策となるはずです。
東京・大阪で開かれる「アメリカ留学フェア」など、学生と海外大学関係者を直接つなぐイベントも積極的に展開。直近ではAIdeaLabと共同で「AI留学相談サービス」の開発にも着手しており、テクノロジーを活用したパーソナライズされた留学支援も進めています。
ターゲット層は、アメリカやヨーロッパの大学・語学学校への進学を検討する高校生・大学生・既卒者、そしてキャリアアップを目指す社会人。国際的な視野を広げたい方にとって、費用と情報の両面でハードルを下げてくれるサービスといえます。
資金調達:東証グロース上場企業としての資金戦略
Zenken株式会社は2021年6月に東京証券取引所マザーズ市場(現:グロース市場、証券コード:7371)へ上場した公開企業です。そのため、ベンチャーキャピタルによるシリーズラウンドの資金調達は行っておらず、資本市場からの調達が主体となっています。2024年6月30日時点の資本金は438,788千円(約4.4億円)。

創業者である吉澤信男氏は、戦後の高度経済成長期に「次世代の教育こそが日本の未来を支える」と考え、1975年に生涯教育文化事業を立ち上げました。その後、現代表取締役社長の林順之亮氏(1965年生まれ、福岡県北九州市出身)が1989年に語学教育系の営業会社として起業し、Zenken(旧全研本社)に参画。少子化による教育業界の縮小を予見し、家庭のインターネット普及に着目して「教育×IT」のビジネスモデルを構築しました。
インターネットテレビ電話を活用したパソコン教室のフランチャイズ事業からスタートし、その集客のために開発したマーケティングメディアが、現在の主力事業であるWEBマーケティング事業へと発展。教育事業で培ったノウハウが、事業ポートフォリオの多角化を支えているのです。
直近では、スタートアップ向けクラウドファンディングプラットフォーム「FUNDINNO」を運営するグラフィックホールディングスへの出資を決定し、資本業務提携を締結しました。スタートアップとの連携で新規事業の創出を加速させる姿勢がうかがえます。
同社は中期経営計画『Road to 250』の最終年度である2030年6月期に売上高130億円・営業利益30億円を目標に掲げ、「100年安定成長し続けるZenken」を目指しています。林社長はインド政府とも直接連携し、IT人材・介護人材分野でのインド市場開拓にも積極的に取り組んでいます。
市場規模:拡大が続くグローバル教育市場
世界の教育産業市場は2037年に約14兆ドル規模へ
Zenkenが事業を展開するグローバル教育市場は、今後も拡大が見込まれる有望な分野です。SDKIの調査によれば、世界の教育産業市場規模は2024年に約7兆米ドルの収益を記録しました。2025〜2037年の間に約5%のCAGR(年平均成長率)で成長し、2037年には約14兆米ドルに達すると予想されています。特にアジア太平洋地域は、予測期間中に最も高いCAGRで成長するとみられています。
デジタル教育・オンライン教育市場の急成長

デジタル教育市場は、より高い成長率を示しています。Business Research Insightsのレポートによれば、同市場は2024年に約243億6,000万米ドルと評価され、2025〜2033年の間に約27.5%のCAGRで成長し、2033年には約2,160億米ドルに達すると予測されています。
Market Research Futureの調査では、オンライン教育産業は2025年の約845億米ドルから2035年には約5,514億米ドルへ成長する見通し。技術革新と学習者ニーズの多様化が、市場成長を強く牽引しています。
Zenkenのポジション
Zenkenは1975年創業という長い歴史の中で、400社以上への語学研修実績とのべ20万人の指導経験を積み上げてきました。この教育ノウハウに加え、EFグループを含む500以上の海外大学・語学学校ネットワーク、AI技術を活用した留学相談サービスの共同開発など、伝統と革新の両面から市場でのポジションを強化しています。急成長するアジア太平洋市場において、日本発のグローバル教育企業として存在感を高めていく余地は大きいといえるでしょう。
会社概要
- 会社名:Zenken株式会社
- 所在地:東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ森JPタワー
- 設立年月日:1975年
- 代表者名:代表取締役社長 林 順之亮
- 公式HP URL:https://www.zenken.co.jp/
まとめ
Zenken株式会社は、1975年の創業から教育事業を軸に成長を続けてきた老舗でありながら、WEBマーケティング、AI、海外人材紹介、海外留学支援など、時代のニーズに合わせて事業を進化させてきたユニークな存在です。EF Education Firstをはじめとする世界的な教育機関のネットワークを活用し、日本人学生・社会人が国際的な機会をつかむための支援を続けてきた実績は、他社にはない強みといえます。
拡大するグローバル教育市場において、50年近い教育事業の実績と、AI技術を取り入れた新しいサービス開発の両輪で、同社がどのようなグローバル展開を実現していくのか、今後の動向から目が離せません。
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